おとり広告一斉調査を実施

主要ポータル5社に調査業務を委託


公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会(以下、首都圏公取協‥東京都千代田区)が今年度中に実施するおとり広告の一斉調査を首都圏公取協ポータルサイト広告適正化部会(以下、ポータル部会)の構成会社に委託することが分かった。
多くのおとり広告の排除が見込まれる。

今回の調査ではポータルサイトに成約済み物件がどの程度掲載されているか実態を把握するとともに、おとり広告を排除することが目的だ。
アットホーム(東京都大田区)、CHINTAI(東京都港区)、マイナビ(東京都千代田区)、LIFULL(旧ネクスト:東京都千代田区)、リクルート住まいカンパニー(東京都中央区)の5社が調査を代行する。
各社が運営するポータルサイトから無作為に抽出した約300社が調査対象。
1社につき5物件程度を調べ、成約済みの場合は成約日から経過している日数もつきとめる。
成約日から2週間以上掲載し続けている企業に関しては、注意や警告など規約に沿った措置を講ずる。
過去に違反歴があったり、物件概要や貸出条件について事実と異なる記載をするなど悪質な場合は、首都圏公取協が直接、不動産会社に調査を行う。

これまで首都圏公取協では、仲介会社や消費者などから寄せられたおとり広告に関する情報を元に不動産会社を調査していた。
今年度は主体的な調査を実施し、おとり広告の排除、掲載防止を強化していく方針だ。

掲載停止施策の対象サイトを拡充

首都圏公取協では、おとり広告の取り締りだけでなく、罰則も強化している。
ポータル部会では、首都圏公取協が厳重戒告および違約金課徴の措置を講じた不動産会社に対し、部会の5社が運営するポータルサイトへの広告掲載を1カ月以上禁止する施策を1月から開始している。
さらに4月からは、ヤフー(東京都千代田区)が運営するサイト『ヤフー不動産』も同施策の対象サイトに加わった。
対象サイトを広げることで、おとり広告の掲載に伴うリスクが増大するため、抑制力が高まると考えている。
3月までで、約20社が処罰の対象になっている。
うち2社は、ポータルサイトから契約を解除されているようだ。
契約を解除された会社は、ほかの対象サイトに新規で利用を申し込むこともできない。
対象サイトの運営会社は、処罰された会社名や代表者名などの企業情報を共有しているためだ。
1月の施策開始以降、掲載停止の施策に参加していないポータルサイトで、おとり広告の摘発が増加傾向だという。
さらに対象サイトを増やしたいが、対象外の主要なポータルサイトは、管理会社のグループ会社が運営しているケースが多い。
罰則を受けた企業名などの情報が管理会社に漏えいし、おとり広告抑制以外の目的で使われることを避けなければいけないため、慎重な判断が必要だ。

また今夏からは近畿地域でも同施策が開始される。
ポータル部会5社のサイトを対象に、広告掲載停止施策が始まる。
近畿地域のおとり広告は架空物件の掲載など悪質な違反が多いという。

佐藤友宏事務局長は「おとり広告の排除を強化するだけでなく、誠実な広告掲載に取り組んでいる企業を認定する前向きな取り組みもポータル部会と推進していきたい」と語った。

(全国賃貸住宅新聞様より引用)