セメント大手4社/17年4~9月期決算、全社が増収/太平洋と三菱は2桁台の増益

 太平洋セメント、住友大阪セメント、三菱マテリアル、宇部興産のセメント大手4社の17年4~9月期連結決算が9日に出そろった。企業の設備投資が堅調なことや、前年度の補正予算が執行された影響などで、国内の需要が回復。全社が増収となったほか、太平洋と三菱は2桁の増益に。一方、住友大阪、宇部の2社は石炭価格の上昇分を吸収し切れず2桁の減益になるなど明暗が分かれた。
 4~9月の国内のセメント販売量は、前年同期比3・1%増の2084万トンと4年ぶりに前年の実績を上回った。首都圏で2020年東京五輪関連などの民間開発が活発化しているほか、北海道や九州・沖縄などでも大型工事が進み、全体の需要を押し上げた。
 ただ、長期的には内需は縮小傾向。16年度通期の実績は前年度比2・1%減の4177万7000トンとピーク時の約半分に減った。
 一方で輸出(1~9月)は前年度比8・4%増の910万トンと好調。米国や中国、タイなど東南アジアの景気が持ち直し、4~9月期は各社の売り上げ増に寄与した。国内需要が振るわない中、住友大阪セメントが輸出体制を増強するなど海外に活路を求める動きも出ている。
 各社のセメント部門の売上高を見ると、太平洋が4219億円(前年同期比11・9%増)、住友大阪が1175億円(6・4%増)、三菱マテリアルが956億円(14・1%増)、宇部興産が1159億円(5・3%増)。内需が回復した影響などで全社が増収となった。
 太平洋は、国内販売量が728万トンで、輸出も含めた総販売量は946万トン。米国西海岸の市況が回復傾向となりセメント、生コンの出荷が増加したほか、中国のセメント需要も持ち直した。
 住友大阪は、国内販売量が434万トン、輸出も含めた総販売量は503万トン。新材料・電池材料事業は好調だったが、セメント関連事業は減益となった。
 国内のセメント需要が長期的に見て低調に推移する中、同社はフィリピンやシンガポール、香港などアジア圏への輸出強化を進める。高知工場(高知県須崎市)に加え、本年度からは赤穂工場(兵庫県赤穂市)でも海外出荷を始めた。
 三菱マテリアルの国内事業は、販売数量は増加したものの、石炭などエネルギーコスト上昇が響き、増収減益に。一方、米国ではセメント販売量が増えたほか販売価格も上昇し、増収増益となった。
 宇部興産の建設資材部門のうちセメント・生コン事業は、売り上げは伸びたものの、他社と同様、石炭価格上昇のあおりで約2割の営業減益となった。
 18年3月期(本年度通期)の国内向け販売数量は、太平洋が4・4%増の1503万トン、住友大阪が2・1%増の900万トンとそれぞれ予想している。

(日刊建設工業新聞様より引用)