ゼネコンの新人研修・上/社会人への第一歩/一体感醸成へ長期化傾向

 多くのゼネコンが来週4月3日に入社式を行い、新入社員研修が本格的にスタートする。研修は学生から社会人への第一歩。社会人としてのマナーや配属後すぐに役立つスキルの教育に重点を置く企業が目立つ。同期入社の絆を深め、一体感を醸成してもらうため、研修期間を従来より長くし、土木や建築など職種に応じた体験型の研修を導入する企業も増えている。

 ここ数年の堅調な市場環境を背景にゼネコン各社の採用意欲は高く、新卒採用人数を増やす企業も少なくない。獲得した人材を即戦力として各部署に配置するためにも、入社後最初の研修を重視する企業は多い。

 研修では、社会人として欠かせないビジネスマナーの指導はもちろん、配属前の不安を払しょくし、モチベーションを高めることに多くの企業が重点を置いている。中でもまず取り組むのが、自社の企業風土を知ってもらう「DNAの注入」だ。

 竹中工務店は、神戸市にある教育寮での「新社員」(同社の新卒総合職の呼称)共同の寮生活と大阪本店管轄の2~3部門でのジョブローテーションを軸に、1年間にわたる新社員教育制度を運用している。始まりは1952年と古く、「企業理念と伝統的精神の継承、誠実な人間への成長と相互研さんが目的」と研修担当者は説明する。

 佐藤工業は昨年から、建築技術系の新人研修を同社発祥の地・富山で開始した。「北陸支店に配属にならない限り、なかなか富山を訪れる機会がない」(広報担当者)として、同社の施工物件や先人の足跡をたどる時間を用意。愛社精神を養い、仕事への意欲を高める狙いがあるという。

 社会人として必須のビジネスマナーを身に付ける研修プログラムを導入する企業が目立つ中、日本国土開発は利益意識の醸成を重視する。研修担当者は「新入社員が業務を遂行していく上で利益を自分事として捉えられるように意識付けを行っている」と意義を強調する。

 現場に配属される新入社員は、社会人として慣れない上に、現場という初めての環境に身を置くことになる。このため、現場を想定した体験型の研修を取り入れる企業もある。鹿島は、富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)で土木・建築・設備・事務の主要職種すべてで施工実習を合宿制で実施。西松建設や鴻池組なども同センターで研修を行っている。

 安藤ハザマは、昨年6月に茨城県つくば市にある技術研究所に隣接して宿泊用研修施設「TTCつくば」を開設した。今年は前年に続き、技術系は4月から8月末まで合宿形式で5カ月間の長期研修を計画。座学のほか、土木、建築それぞれが技研敷地内に模擬現場を設置し、施工実習を行う。

 横のつながりを築く上でも新人研修の果たす役割は大きいようだ。鉄建建設は「新入社員同士がコミュニケーションを取り合い、相互に考えながら研修を進めるグループワークを増やし、同期の絆と一体感を醸成している」(広報担当者)という。

 給料の管理も社会人として欠かせない。熊谷組はマネープラン研修として、社外講師を招き、お金の使い方をレクチャーしている。鴻池組は昨年、事務系の社員を対象に1泊2日の禅寺研修を行い、座禅や掃除に取り組んだ。人事担当者は「精神鍛錬が狙いの一つ」と話す。こうした外部の研修プログラムの活用も広がりつつある。

(様より引用)