ゼネコン協力会トップに聞く・2/鹿島事業協同組合連合会・中里徹哉理事長

 ◇現場の改善活動を体系的に
 法人格を持つ自主運営組織の鹿島事業協同組合連合会。今期からトップを任された中里徹哉理事長は、「鹿島の施工力の中核を担う。協力会社だけでも、鹿島だけでもなく、協業関係にある。会員各社の足腰を強くしていくことが使命だ」と力を込める。
 --会員数の状況は。
 「近年は930社前後で推移している。労働災害の被災者の補償・救済を行う『共済事業』と教育訓練や人材確保など『その他事業』を行っている。1000社を超えると共済事業しかできなくなるという縛りがある。共済事業は結果に対しお金を出すものだ。その他事業は会員の経営基盤を高めていく事業で、ここに力を入れたい」
 --担い手確保をどう進める。
 「どの会社も採用活動で苦労している。労働条件が悪いと、業界内ではなく、異業種に引き抜かれてしまう。採用活動のツールとして、職種別に仕事内容を紹介するDVDを制作した。都市土木、山岳土木、建築・とび土工、建築・鉄筋、建築・型枠、建築・左官の主要6職種で、本年度に仕上げ工事編を制作し、全職種が完成する。高校生の親や教師をターゲットにした職業紹介DVDも計画している」
 --業界を挙げて生産性の向上に取り組んでいる。
 「東京は今、月25日のフル稼働状態だ。週休2日にすると、月に20日しか働けず、生産性を25%アップさせないと今まで通りにはいかない。1カ所の現場だけならできるかもしれないが、平均で達成するのは簡単なことではない。鹿島は全国に600カ所程度の現場がある。一つ一つの現場で相当数の失敗や改善がある。そうした日々の取り組みを集計し、反映していけば、システマチックに仕事ができるようになるはずだ」
 --人材育成の取り組みは。
 「会員に対しては富士教育訓練センターの受講料を全額助成している。若手経営者の研修も昨年から年2回のペースで行っている。作業員のキャリアパスを明確にしないといけない。自分の職能と給料のバランスなど、将来が見えるようなモデルケースを作る必要がある。ものづくりは誰でもいいからやってという話ではない。ロボット化も進んでいるが、最後は人が作業する」
 --多能工化が注目を集めている。
 「当社(中里工務店)はとび工がメインの会社だが、自社で多能工を導入したことがある。ホテル新築工事で、型枠、鉄筋、足場と仕上げ以外を全部やった。同じメンバーで作業でき、尻上がりに良くなるが、多能工は優秀でなければ務まらない。1カ所に集めたため他の現場が手薄になり、トータルでは利益にはプラスにならなかった」
 --最新の取り組みを。
 「14年度に無料職業紹介事業を始めた。今は退職自衛官に対象を絞り、入職の手伝いをしている。各自衛隊駐屯地で行われる企業説明会に会員各社に出てもらっている。重機関係の仕事を希望する人が多い」。
(中里工務店代表取締役)

(様より引用)