ゼネコン協力会トップに聞く・6/熊栄協力会・笹島義久会長

 ◇グループ各社の協力会とも連携
 16年4月に発足した熊谷組の協力会「熊栄(ゆうえい)協力会」。協力会社との連携・協力体制の強化と協力会の効率運営を目的に、従来の協力会「熊谷組安全衛生協力会」「熊土会」「熊建会」の3会を統合した。現場のパトロールなど実務を重視し、全員参加の活動を活発化させている。

 --3会の合併効果をどう捉える。
 「土木も建築も一緒になったことで、自分たちの専門職種以外の現場や分からないところも理解できるようになった。会員数は8月1日時点で848社。入会すると、熊谷組と一緒に仕事をすることで個々の会社の安全や品質のレベルアップにつながる。当会は実務を重視し、支部での活動にも時間をかける。パトロールや意見交換など非常に活動が多い。そうした活動にしっかりと協力できる会社であれば歓迎する」
 --現場の週休2日や時間外労働削減のためには生産性の向上が欠かせない。
 「全国の良い取り組みを吸い上げ、水平展開できるようにしている。生産性向上の観点からは多能工も有効と考えている。型枠、鉄筋、土工、足場、どれか一つを自分の専門にプラスしてできればいい。当社(笹島建設)はトンネル専門だが、大工作業ができる職人がいる。ちょっとした型枠を組んでもらうなど、いろいろな面で役に立ち、大変プラスになっている」
 --担い手確保にも力を入れている。
 「会員各社が採用活動で苦労している。各社の採用活動を支援するツールとして、建設業の仕事を紹介するパンフレットを熊谷組と共同で作成した。7月には東京都内の建設現場に高校生を招いて交流会を開き、施工中の現場を見て作業を体験してもらうと同時に、意見交換も行った。魅力を直接アピールでき、建設業の仕事は危険ばかりではないと認識してもらえたのではないか」
 --若手の育成も待ったなしだ。
 「教育に力を入れており、玉掛け教育、職長再教育などを行っている。マイスター制度はトップだと1日3000円の手当が付く。マイスターの称号を欲しくてしょうがないという職長が多く、モチベーションの向上につながっている。マイスターになると下手な仕事はできない。自然と仕事への熱意も上がる」
 --労務のネットワーク化を推進している。
 「首都圏は仕事量が多いが、全国的には地域差がある。協力会社間の労務のネットワーク化が必要だ。協力し合えるものは協力する。こちらには仕事がないので、忙しいあちらで仕事をしてもらうというのは各社の経営上の強みにもなる。土木も建築も関係なく、協力会社間で実際にそうした人の融通が始まっている」
 --熊谷組のグループ会社の協力会との連携も視野に入れる。
 「道路舗装会社のガイアートや建築リニューアルのケーアンドイーなどの協力会社とも、将来的には労務ネットワークをつないでいきたい」。
 (ささじま・よしひさ。笹島建設社長)

(様より引用)