プロロジス/既存倉庫の更新需要を注視/山田御酒社長「ニューマーケットを創造」

 プロロジスの山田御酒社長は12日、東京都内で記者会見し、今後の事業展開の方向性を明らかにした。開発用地の確保が難しい状況が続く中、「物流施設の供給量は限定されてくる」と指摘。一方、「旧耐震基準の倉庫の更新や小型倉庫の集約化、土地の容積率の有効利用による施設の大型化・高層化など(さまざまな開発手法)を考えながら供給していくことが重要だ」と話し、既存施設の更新や建て替えも視野に入れて継続的な開発・供給を進める考えを示した。
 国内での物流施設の需要については、Eコマース(電子商取引)市場の急成長などを背景にさらに高まると分析した。国内の既存施設のうち、同社などが展開する先進的物流施設の割合は欧米諸国を大きく下回る約3%にとどまることもあり、より効率的な物流施設のニーズは将来的に高まるだろうと結論付けた。
 ただ、大都市圏の湾岸エリアなど物流施設の適地は年々少なくなっている。そうした状況を踏まえ、山田社長は「ニューマーケットの創造に取り組む」と強調。「Eコマースの台頭で物流施設の適地は必ずしも海側でなくてもよくなった」ことから、関東圏、関西圏ともに内陸部での開発にも重点を置く戦略を取っている。
 関東圏の首都圏中央連絡自動車道(圏央道)沿いでは、21日に起工式を行う「プロロジスパーク東松山」に加え、「同海老名2」「同古河1~3」「同つくば」の計6施設を開発・計画中。今後、茨城県内の開通による常磐自動車道とのアクセス向上が契機となり、同業他社も含めて「圏央道の東側に新たな開発がシフトしていくだろう」との見方を示した。
 関西圏では、今後開通予定の新名神高速道路沿いの開発機運が高まっている。同社開発物件も、先月竣工した「同茨木」に続き、京都府内初進出となる「同京田辺」が17年春に着工予定。兵庫県猪名川町の町有地で「猪名川町プロジェクト」を進めることも決まっている。
 大規模なマルチテナント型施設だけでなく、テナント1社専用のBTS(ビルド・トゥー・スーツ)型施設の開発にも力を入れる方針だ。テナントと計画・設計段階から協議を行い、その要望に応えて仕様をカスタマイズすることが多いBTS型施設の開発では、物流施設の専業デベロッパーとしての強みが生かせるとみている。
 山田社長は「Eコマースの成長などで、より効率的な施設が求められるようになっている。郊外の大型施設ではなく、小型で消費地に近い施設を求める問い合わせも多い」と指摘。こうした最近の顧客ニーズの変化を注視しながら、新規施設の開発や既存倉庫の更新需要の掘り起こしに引き続き取り組む考えを示した。

(日刊建設工業新聞様より引用)