中国整備局・川崎茂信局長が就任会見/危機管理への備え着実に

 中国地方整備局長に就任した川崎茂信氏が28日、広島市中区の広島合同庁舎で記者会見し、「危機管理への対応を最も重視していく」と語るとともに、「安全・安心という観点からのインフラの老朽化対策などの着実な推進、生産性向上による成長力強化のほか、地域の活性化と豊かな暮らしの実現というテーマにも取り組みたい」と抱負を述べた。
 建設産業に対しては、「老朽化といった視点がクローズアップされてくる。長く、耐久性のある社会資本づくりに一緒になって取り組む良きパートナーとして頑張ってほしい」と期待を寄せながら、「若い人が入職する環境づくりにも一緒になって取り組んでいきたい」と語った。
 危機管理では、近年の風水害が激甚化する中、「普段からインフラの耐震補強など、災害への備えを計画的に着実に進めていくことが重要。地域の防災力を高めるためにも、関係自治体と連携して取り組んでいく」との方針を示した。
 インフラの老朽化問題では、「地域の安全・安心という観点からも自治体管理の橋などのインフラの老朽化対策は待ったなしの状況」と強調。「補修をいかに効率的にコストを抑えてやっていくかが一つのテーマとなる。構造物の多くは自治体が抱えている。自治体の老朽化対策に予算面を含め、どのように取り組んでいくのかが課題。新技術の活用や入札手法の工夫もコストを下げる対策となる。優良事例を直轄が先導してつくり、自治体に紹介することで、自治体の老朽化対策の一助になればと考えている」と述べた。
 地域の成長力強化、活性化では、「例えば都市部周辺の渋滞対策、港湾・空港へのアクセス強化を進めることで、ストック効果を早く発現させる取り組みが重要。尾道松江線では、開通とともに企業活動が活性化し、観光振興にもつながっている。引き続きこうした取り組みを加速していく」とした。
 また、「基幹ネットワークの整備として山陰自動車道などの整備を積極的に進めるとともに、道の駅などの拠点施設についても自治体と連携して取り組むことが重要」との認識を示しながら、「中国地方の安全・安心、持続的な発展に向け微力ながら取り組む」と語った。
 建設現場の生産性向上については、「2025年までに生産性を20%向上させる。その中の一つの有効な方法としてi-Constructionを掲げている。ICT(情報通信技術)を使って生産性を上げる取り組みを、土工のほか舗装や浚渫工事に広げる。直轄の工事で先導的に進めることで、自治体に水平展開していけるよう、優良事例をつくっていきたい」と語った。
 担い手の確保では、「建設産業は地域の守り手としても、持続的に魅力を持った職場として発展していかなければならない」とし、「魅力を次の世代にどう伝えるかがポイント。長く安心して働ける環境づくりに、発注者と受注者が良きパートナーとして取り組んでいきたい」と語るとともに、「建設業界のさらなる発展へ連携していきたい」とした。
 (かわさき・しげのぶ)86年東大大学院理工学研究科土木工学専攻修了、建設省(現国土交通省)入省。近畿地方建設局道路部道路計画第一課長、道路局企画課長補佐、土木研究所道路部高度道路交通システム研究室主任研究員、奈良県土木部長、東北地方整備局道路部長、道路局国道・防災課長を経て7月7日付で現職。福井県出身、56歳。

(日刊建設工業新聞様より引用)