中部整備局ら/岐阜県中津川市の橋梁で直轄診断実施/17年度内に対応策取りまとめ

 中部地方整備局と国土技術政策総合研究所(国総研)、土木研究所(土研)で構成する道路メンテナンス技術集団(リーダー・西村栄司中部整備局道路保全企画官)による中部初の直轄診断が20日、岐阜県中津川市の乙姫大橋で行われた。市が管理する同橋の定期点検で耐候性鋼材に異常な腐食が確認されたため、市の要請を受け橋梁点検車を用いて腐食部分の近接目視を実施した。今後、橋梁全体の状況も把握した上で年度末までに診断結果と対応策を取りまとめ、市に報告する。
 木曽川に架かる乙姫大橋(中津川市坂下)は橋長316・9メートル、幅員9・3メートル。橋梁形式は鋼単純箱桁+2径間連続トラス+鋼単純箱桁で、耐候性鋼材を使用。県が建設し96年8月に供用を開始。管理は市が行っている。
 耐候性鋼材は、無塗装の鋼材表面に1~3年程度かけて、一定以上進行しない安定的なさびを起こさせることで、腐食を進展させるさびを抑制する。塗装メンテナンスの必要がないことから、従来の塗装を行った橋梁に比べ維持管理コストを削減できる。
 中津川市の管理橋梁のうち、耐候性鋼材を用いているのは28橋。定期点検で乙姫大橋だけ横桁部分など複数箇所に層状剥離を伴う異常な腐食が確認された。これまでは「要観察」としていたが、耐候性橋梁の補修事例は少なく補修工法の検討に高度な技術力が必要と判断したため、岐阜県道路メンテナンス会議を通じ支援を要請していた。
 道路メンテナンス技術集団のメンバーは、中部整備局道路部、岐阜国道事務所、多治見砂防国道事務所、国総研、土研で構成。当日は13人の技術者が現地を訪れ、乙姫大橋を通行止めにし3台の橋梁点検車両を用い近接目視を行った。また、ドローン(小型無人機)を使い、橋台周辺ののり面の変状の有無も確認した。
 診断後、西村道路保全企画官は「水抜き用のパイプがなくなっていたため、水が伝い漏れていたことが腐食の原因と考えられる」と説明。また、現時点で亀裂など重大な損傷は発見されなかったとする報告を青山節児市長に行った。今後は、腐食部分や橋梁全体の診断をさらに詳細に行い、対応策などを助言する。
 道路メンテナンス技術集団は、道路の老朽化対策に取り組む自治体に対する国の支援策の一つ。道路やトンネルなどのうち▽複雑な構造▽損傷度合いが著しい▽社会的に重要なもの-について、自治体の要請に基づき地方整備局と国総研、土研の職員で構成するグループを派遣し技術的な助言を行う。14年度から直轄診断を実施しているが、中部整備局管内では乙姫大橋が初。
 当日は直轄診断に先立ち、西村道路保全企画官から青山市長に道路メンテナンス技術集団の派遣通知書が手渡された。青山市長は、派遣に感謝の意を表すとともに「市職員の技術指導も行っていただければ」と期待を寄せた。

(日刊建設工業新聞様より引用)