九州整備局/57号二重峠トンネル大津工区の最難関区間が掘削完了/清水建設JV施工

 九州地方整備局が熊本地震で被災した国道57号の災害復旧事業として現道の北側に整備を進めている国道57号北側復旧ルート(熊本県阿蘇市赤水~大津町引水、延長約13キロ)の主要構造物となる長大トンネル「二重峠トンネル」の大津工区の工事が最難関区間の掘削を終え24日、報道関係者らに公開された=写真。県道直下の土被りが小さい区間の施工を交通に全く影響を与えず完了。今後、急速施工を本格的に開始する。施工は清水建設・福田組・松下組地域維持型JV。
 二重峠トンネルは総延長3659メートルの本坑と同3653メートルの避難坑を2工区に分け発注し、阿蘇市側と大津町側の両方から掘削を進めている。このうち大津工区は延長1659メートル、幅15メートル、断面積106平方メートルの本坑、延長1653メートル、幅8・6メートル、断面積50平方メートルの避難坑を施工する。工法はNATM。工期は20年5月末。工事費は103億円。
 施工予定者が設計を支援するECI(アーリー・コントラクター・インボルブメント)方式を採用し、設計と施工計画の同時進行により着工時期の半年以上前倒しを実現。清水建設JVは本坑に並行して設ける避難坑を先行掘削しそこから横坑を設け、本坑の掘削断面を増やして工期を1年以上短縮する「本坑の2カ所同時掘削」などを提案した。
 坑口から約90メートルの区間は大規模斜面崩壊に伴い通行止めとなった国道57号の代替ルートである県道北外輪山大津線(通称、ミルクロード)の直下を通過するが土被りが9メートル程度と非常に薄く、地盤強度も低い。このため5メートル掘削するごとに地盤に鋼管を打設し、鋼管の坑から薬液を注入して地盤改良を行う長尺先受け工を二重に施工することにより、地表面の沈下を20ミリ以下に抑えた。
 6月に避難坑、8月に本坑の掘削に着手し24日時点で本坑128メートル、避難坑617メートルの掘削を終え、進ちょく率は16%。
 今後本格化する急速施工では避難坑の掘削延長が1000メートルを超えた時点で横坑を掘り、2カ所目の断面から本坑掘削を開始。トンネル支保工での高強度のロックボルトの採用、高性能削岩機搭載のドリルジャンボの投入、3班体制の昼夜2交代での施工などにより、ミルクロード区間のおよそ2倍に当たる1日当たり4~5メートルの掘削を目指す。避難坑は18年夏ごろの掘削完了を見込む。
 清水建設の金岡幹作業所長は「技術的に困難なヤマを交通に影響を与えず越えられた。品質、安全に配慮しつつ急速施工により早期にトンネルを貫通し、地域の皆さんのお役に立てれば」と話した。
 同日は熊本県建設業協会が県内3校の工業系高校生約150人を招き、現場見学も行われた。

(日刊建設工業新聞様より引用)