九州豪雨/国交省、河川に権限代行初適用/福岡県管理河川で堆積土砂や流木除去

 国土交通省は、九州北部の集中豪雨による災害で、福岡県が管理する河川に大量に流出した土砂や流木の除去を実施する。小川洋知事からの要請を受け、6月19日施行の改正河川法で創設した国による権限代行制度を初適用する。対象は筑後川水系でいずれも朝倉市内を流れる赤谷川、大山川、乙石川の計15・5キロ。河道がふさがって二次災害が発生する可能性が極めて高いとして、緊急的な対策を講じることにした。
 改正河川法に基づく権限代行は、都道府県などが管理する1級河川の指定区間や2級河川で実施する改良工事、修繕、災害復旧が対象。都道府県などの要請を受け、高度な技術力や機械力を使用して実施するなど、管理者の体制を踏まえて代行の必要性を判断した場合に適用することになる。
 初の代行制度を適用するのは赤谷川9・4キロ(筑後川との合流点から朝倉市杷木赤谷地先まで)、大山川2・1キロ(赤谷川との合流点から杷木大山地先まで)、乙石川4キロ(赤谷川との合流点から杷木松末地先まで)。
 流域では、上流で山腹崩壊が多数発生したのに伴い、大量の土砂や流木が河道を埋めた。次の出水時に二次災害が発生する恐れが極めて高く、緊急的に対策を実施する必要があるという。加えて、土砂の流動性が高く高度な技術を要するとして、権限代行の適用が妥当と判断した。
 今回の権限代行で対応するのは九州地方整備局の筑後川河川事務所。豪雨に伴い変化した流路を元に戻すため、堆積土砂や流木を除去し、必要に応じて土のうを積むなどの対策工を現地の状況を踏まえて実施する。工事は緊急随意契約の形で発注する想定だ。
 代行制度での費用負担は、通常の事業実施方法と同じ。災害復旧となる今回の場合、国が全体の3分の2を負担して実施するが、「概算額などはまだ定まっていない」(国交省水管理・国土保全局)という。
 大規模災害に伴う国による事業の代行制度は大規模災害復興法で規定されているほか、道路分野では13年の道路法改正で創設。昨年の熊本地震に伴う国道325号阿蘇大橋の復旧などに適用された。河川分野でも先の通常国会で改正された河川法で可能となった。
 代行制度のほか、国交省は今月、復旧・復興の際の入札契約方式の選定で基本的な考え方を整理した「災害復旧における入札契約方式の適用ガイドライン」を策定しており、災害時の円滑な事業実施に役立てる。

(日刊建設工業新聞様より引用)