五洋建設、ソーキ/海上構造物誘導・出来形管理システム開発/ARで設計ライン表示

 五洋建設は7日、測量機・計測機器レンタルのソーキ(大阪市西区、都志直博社長)と共同で、杭の打設やケーソンの据え付けなど海上作業を支援する新システムを開発したと発表した。カメラ付きトータルステーションで視準した映像に、任意の3次元(3D)画像情報を重ねて作業船のモニターに表示する。オペレーターは映像を見ながら作業でき、構造物の誘導や出来形管理の効率化につながる。
 新システムは、09年に両社が開発した「映像による杭打設管理システム(ジオモニ)」のハードウエアに、拡張現実(AR)技術を導入したソフトウエアを搭載した。
 従来は、視準した映像に重ねて表示できるのは、杭の中心軸か左右いずれかの側面の設計ライン(設計位置を通る管理線)だけで、杭頭の中心位置や傾斜しか管理できず、設計ラインに対する杭のずれ量を定量的に測定することもできなかった。
 新システムでは、ワイヤフレームモデルやポリゴンモデルなど3D画像や施工管理の目的に応じた任意形状の設計ラインを表示できるため、対象構造物の規模や形状によらず、多様な構造物の施工管理に適用できる。
 設計ラインに対して任意の幅で複数の平行線を表示し、ズーム倍率に応じた目盛り表示を行うことで、設計値との誤差を定量的に測定可能。作業船のオペレーターが設計位置と施工対象物の状況をリアルタイムでモニタリングできるため、位置決めの時間を短縮でき、作業性が向上する。
 最大測量距離は約500メートル。雨天時や夜間作業への適用も可能という。水平・鉛直方向2本の設計ラインによる杭出来形(杭頭中心位置・天端高・傾斜)の一括的な打設管理、立体的な設計ラインによるケーソンやジャケット、鋼板セルなど大型構造物の据え付け管理に役立てる。
 16年6月に東京港内の鋼管杭打設工事に適用し、施工性と打設精度の向上効果を確認した。新システムは「AR NaviジオモニII」と命名。3月にNETIS(新技術情報提供システム)登録を予定している。1カ月当たりのレンタル料は160万~170万円(従来は120万~130万円)。カメラを内蔵したトータルステーションへの移行も視野に入れている。
 五洋建設の前田一成土木部門土木本部土木設計部担当部長は「例えば、1日に打設できる杭の本数が6本から7本に増えると作業船の燃料費や人件費を削減できる。省人化や作業環境の改善にもつながる」としている。

(日刊建設工業新聞様より引用)