北陸整備局/大河津分水路抜本改修(新潟県)/工事用道路・山地部掘削はICTで

 北陸地方整備局は、新潟県燕市の信濃川河川敷で15日に開いた82回目の大河津分水殉職者慰霊式で、分水路抜本改修事業の概要を説明した。17年度は右岸、左岸の工事用道路や山地部掘削工事、第二床固めの改築に向け右岸側の擁壁取り付け工事、新野積橋の右岸橋台工事などを行う。工事用道路工事と山地部掘削工事は施工者希望II型ICT(情報通信技術)活用工事として発注する予定。
 16年度に施工者希望II型ICT活用工事として発注し、現在工事中の右岸側の工事用道路工事の大河津分水路工事用道路その1工事(施工=曙建設)、同その2工事(施工=大石組)の2件は、ICT活用工事として施工中。同年度に施工者希望II型ICT活用工事として発注した左岸側の大河津分水路工事用道路その3工事を落札した多田組(3月10日に落札決定)もICT活用を前向きに検討しているという。
 右岸橋台工事を始める新野積橋は、橋長211メートルの現橋より少し河口側に建設する。建設技術研究所が担当の詳細設計によると橋長は426メートルで5径間連続PC箱桁橋の計画で、橋脚基礎工にはニューマチックケーソンを採用する予定。
 左岸側の山地部を削って川幅を約100メートル拡幅(現河口部川幅210メートル)して約310メートルにする掘削は16年度に準備工事に着手した。
 地層を考慮して左岸側の山地部を掘削することに決めた。山地部の地層は、右岸から左岸に向かって傾斜しており、右岸側は流れ盤という規模の大きな地滑りが発生しやすい地層になっている。このため、右岸を掘削した場合は大規模な地滑り対策が必要になる。
 左岸側は地滑りが発生しにくい地層のため、施工期間や経済性から左岸側を掘削する方が有利と判断した。
 山地部掘削には、山の上部から徐々に掘り下げていく「ベンチカット工法」の採用を予定している。
 今ある第二床固めを新しく造り替える改築工事の事業期間は18年度から26年度まで、27年度には現第二床固めの切り下げ工を実施する。
 第二床固めの改築工事には、仮締め切りが不要で、沈下させたケーソン躯体がそのまま新第二床固めの本体構造物となるケーソン工法を想定している。
 だが、同工法は河道内の工事になるため、出水期には施工できない。実際に工事ができるのは冬場を挟む半年だけになる。掘削土砂の搬出やコンクリート打設にはケーブルクレーンの使用を想定している。
 大河津分水路河口部拡幅と第二床固め改築を主体にした抜本改修事業では、左岸側の山地部掘削、河床の洗掘を防いで河川の勾配を安定させるために、河川を横断して設けられている第二床固めを新しく造り替える改築、渡部橋下流にある堆積土砂の掘削、河口部に架かる野積橋の架け替えが計画されている。
 一連の事業を行う区間の延長は3・3キロ、全体事業費は約1200億円。事業完了は32年度の予定。
 17年度に発注予定の大河津分水路改修関係の主な工事は次の通り。
 ▽大河津分水路工事用道路その4工事▽大河津分水路工事用道路その5工事▽大河津分水路工事用道路その6他工事▽大河津分水路右岸部取付擁壁その1工事▽大河津分水路右岸部取付擁壁その2工事▽新野積橋右岸橋台工事▽大河津分水路山地部掘削その1工事▽大河津分水路山地部掘削その2他工事▽大河津分水路山地部掘削その3他工事▽蒲原用水路補償その3工事▽蒲原用水路補償その4他工事▽大河津分水路山地部掘削その4工事。

(日刊建設工業新聞様より引用)