回転窓/実りの秋までひと辛抱

 9月というのは、年12カ月の中でもなかなか難しい月であるようだ。秋とはいっても夏の名残がまだあちこちに見えるし、同じ季節の変わり目でも、冬から春、春から夏に向かうのとは違ってどこか物寂しい雰囲気が漂う。夏の輝きが強いほど、その落差も大きくなろう▼9月の初めは子どもの自殺が増えるとニュースになっている。いじめなどで学校になじめない子たちが、長い夏休みが明けて追い込まれ、自ら命を絶ったり不登校になったりするケースが多いらしい▼内閣府の集計では、9月1日に自殺する子どもの数が一年の中でも突出して多いことが分かっているという。誠に痛ましい話である。どこかに逃げ場を用意してやれなかったのかとの思いが湧く▼大人の中にも、この時期は心身に不調を来す人が多いようだ。夏の疲れに生活や気候の変化が加わってストレスが増すのが原因とされる。夏に長いバカンスを取る習慣がある欧州には、休暇明けの不適応を指す「九月病」の言葉もあると聞く▼きのう7日は二十四節気の一つ「白露」だった。秋が深まり、野の草花に白く朝露が光る頃。実りの秋までもうひと辛抱。

(日刊建設工業新聞様より引用)