国交省学識者委/地下空間の安全技術、官民の情報共有を/埋設物データも対象に

 地下空間の利活用に関する安全技術の確立に向けた方策を検討するため国土交通省が設けた学識者委員会の第2回会合が14日に開かれ、官民が所有する地盤などの地下空間情報を共有していく方向で意見が一致した。地盤など自然物だけでなく、地下埋設物など人工物の情報も随時更新しながら取り込むべきだとの意見も多く、今後、データ収集・共有の範囲や個人情報の扱いなどについて議論を深める。
 社会資本整備審議会(社整審、国交相の諮問機関)と交通政策審議会(交政審、同)技術分科会合同の技術部会に学識者による小委員会(委員長・大西有三関西大客員教授・京大名誉教授)が設置され、埋設工事の安全対策や地下空間の適切な維持管理などの方策を議論している。6月にも取りまとめを行う予定だ。
 同日の会合では、地下埋設物の管理者や施工者など関係5団体へのヒアリングとともに、産学官の関係22団体を対象にしたアンケート結果(速報版)が報告された。地盤や地下水などに関する情報の共有化では、既に一般公開や関係者による公開が進んでおり、今後については「これまで以上一層の共有化が必要」(12団体)、「現状の共有の取り組みが必要」(7団体)との意見が大半を占めた。ライフラインなど地下埋設物の正確な位置の把握と共有に取り組むことの必要性を指摘する声も多かった。
 委員からは「(安全技術の確立や地下埋設物の安全対策に向け)地盤などの情報を共有することは共通認識となっている」「面的な情報が重要。公共データは道路や川の線的な情報であり、その間を埋めるには民間データをうまく利用していかなければいけない」などの意見が出た。「個人情報をどう考えていくのか」「地上にある構造物の情報も重要では」といった論点を指摘する声も上がった。
 地下空間の安全に関する技術開発については、「今後も積極的に推進」(12団体)、「現状を継続」(7団体)となり、産学官の多くの団体で技術開発を推進していくことも分かった。
 会合では、昨年11月に福岡市のJR博多駅付近で発生した道路陥没の原因究明や再発防止策などを検討するため国交省が土木研究所に設置した第三者委員会の報告書も説明された。事故のメカニズムや原因を推定し、類似工事での事故の再発防止策として数値解析の結果に知見・経験なども加え、総合的な工学的判断を行うなどとした。
 第三者委の委員長を務めた西村和夫委員(首都大学東京副学長・教授)は「地下空間を判断する材料は多い方がよい。既存データを有効利用できるようにすることが大事だ」との見解を示した。

(日刊建設工業新聞様より引用)