国交省/インフラ輸出行動計画初の見直し/ICT土工提案へ、先進国にも売り込み

 国土交通省は、昨年3月に作った日本企業のインフラ輸出戦略をまとめた行動計画を初めて見直した。新たに建設現場の生産性向上策i-Constructionの輸出を重点化。先進国と途上国での道路や河川などの建設事業の受注をにらみ、16年度に直轄事業で始めたICT(情報通信技術)土工を提案する。維持管理も含むライフサイクルコストの抑制効果を売り込む。
 行動計画の見直しは、23日開かれた同省の国際政策推進本部(本部長・石井啓一国交相)で決定した。
 新規の重点施策分野として、▽競合国との競争力強化▽インフラ輸出の推進体制強化▽民間資金の一層活用▽新技術の売り込み▽国土・地域開発計画やマスタープラン(基本計画)等の上流計画形成への積極関与▽他国政府・企業と連携した第三国へのインフラ輸出-の6分野を追加した。
 このうち、新技術の売り込みではi-Constructionの重点施策に当たるICT土工の提案に注力する。国交省が保有するICT土工の技術基準類とセットで、日本企業が保有するICTを搭載した建設機械やセンサーなどを重点的に売り込む方針だ。
 国交省によると、ICT土工を行えば、起工測量から完成検査までにかかる一連の作業時間を従来施工より平均で約26%短縮できる。ICT建機などの利用コストがかさんでも、全工程にかかる費用や時間、人手といったコスト全般を減らせる点をPR。主に山岳道路や河川堤防といった建設事業の日本企業による受注を後押しする。
 ICT土工の輸出は、作業全般を人力だけで行うケースが多いアジア各国などの途上国にとどまらず、総額1兆ドル規模の公共投資を計画している米国などの先進国にも効果的に売り込めるとみる。
 このほか、インフラ需要が旺盛な地域・国別に日本企業の受注が見込める有力プロジェクトを列挙。新たに22件を追加した。これで有力プロジェクトは累計76件となった。
 《新規有力プロジェクト22件》
 【ミャンマー】バゴー橋整備事業△ラカイン州への旅客船無償供与△海洋石油開発物資供給基地整備・運営事業
 【タイ】バンコク都市鉄道オレンジライン整備事業
 【フィリピン】マニラ首都圏地下鉄整備事業
 【インドネシア】ジャワ北幹線鉄道準高速化事業△バリ海岸保全事業(フェーズ2)△パティンバン港開発事業
 【インド】デリー東部環状道路ITS導入事業
 【スリランカ】中部高速道路建設整備事業(第3工区)△コロンボ新総合都市公共交通システム導入事業△コロンボ南港東ターミナル拡張事業
 【アラブ首長国連邦】アブダビメトロ整備事業
 【イスラエル】テルアビブ~エルサレム高速鉄道電車車両納入案件
 【ロシア】ハバロフスク国際空港整備・運営事業
 【ペルー】リマメトロ3号線整備事業
 【コロンビア】ボゴタメトロ整備事業
 【コートジボワール】アビジャン港穀物バース建設事業
 【マダガスカル】トアマシナ港拡張計画
 【セネガル】ダカール港第三ふ頭改修計画
 【ナイジェリア】ラゴス都市鉄道整備事業
 【モロッコ】海洋漁業調査船事業

(日刊建設工業新聞様より引用)