国交省/働き方改革、分野別に推進体制構築へ/鉄道など4分野、民間工事の実態調査

 建設業の働き方改革の推進に向け、国土交通省が不動産、鉄道、電力、ガスの4分野ごとに受発注者が連携して取り組みを進める体制を構築する。各分野の業態や特殊性を踏まえ、課題の抽出や具体的な方策などを検討。18年度に実施する民間工事を対象とした実態調査の準備のほか、適正な工期設定に向けたガイドラインの周知啓発も行う。25日に初会合を行った鉄道分野に続き、3分野の推進体制を順次整える。
 28日に開かれた第2回建設業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議(議長・野上浩太郎内閣官房副長官)で、国交省は働き方改革に関する施策の検討状況を説明。厚生労働省、資源エネルギー庁、農林水産省、防衛省も取り組み状況を報告した。
 国交省は18年度予算概算要求で、▽民間発注者などへの働き掛け▽現場技術者の負担軽減▽女性のさらなる活躍の推進▽建設企業の生産性向上支援-の4項目を検討。適正な工期設定や施工時期の平準化など公共工事の取り組みを民間工事にも浸透させるため、実態調査と先導的モデル事業を実施し、その成果を水平展開するとともにガイドラインの見直しに反映させる。
 実態調査の早期実現などに向け、不動産、鉄道、電力、ガスの4分野に特化して働き方改革を官民で話し合う体制を構築する。発注者側からは各分野の民間発注団体など、受注者側からは日本建設業連合会(日建連)と全国建設業協会(全建)が参加する。
 電力とガスの2分野は資源エネルギー庁も参画し、業種や工事の種類に応じた実態調査を実施する予定。受発注者間で認識が共有されにくい課題などを明らかにするとともに、好事例を電力会社やガス会社に説明するなど水平展開を図る。
 厚労省は時間外労働の上限規制を行うことを支援するための助成金制度で、従来は対象外だった建設業も支給対象に追加。建設事業主などに対する助成金制度では女性労働者の助成率の引き上げを検討する。
 農水省は直轄工事で農業用用水路工事でプレキャスト製品を活用するなど生産性向上策に取り組む。防衛省ではワークライフバランスに取り組む企業を評価することで、長時間労働の是正や休日確保の実現などの推進を図る。
 関係省庁の建設業への支援対策を受け、施工者側には働き方改革に向けた取り組みを一段と強化することの必要性を認識する動きが広がっている。ある元請関係団体の幹部は「工期が延びて休日が増えても、賃金の上昇が伴わなければ競争力が落ちるし、若い人に目を向けてもらえない。より少ない人数で施工できるよう、生産性の一層の向上が欠かせない」と受け止めている。
 別の幹部は働き方改革への協力を発注機関に要請しやすくなる効果を期待しつつも、「施工者の取り組みが問われる」とも指摘。「工期ダンピング」の排除や、作業員の処遇改善を促す措置の拡充が必要とみている。

(日刊建設工業新聞様より引用)