国交省/全国の中小河川で緊急治水対策実施へ/今後3年で事業費3700億円

 国土交通省は1日、都道府県が管理している中小規模の河川と、7月の九州北部豪雨で甚大な被害を受けた国・地方自治体管理の河川で緊急治水対策を行うと発表した。河道掘削や堤防整備、透過型砂防堰堤の整備などを今後3~5年程度で集中的に展開する。事業費は合わせて約5370億円。うち全国で行う中小河川の対策には今後3年程度で約3700億円を投じる。=2面に九州北部緊急治水対策の概要
 石井啓一国交相が同日の閣議後の記者会見で表明した。今後、緊急治水対策に取り組む自治体への支援について、「早急に対策を行うための補正予算や土砂・流木対策などへの技術的な支援などあらゆる手段を検討したい」と述べた。今回の事業費の一部は、編成作業が進んでいる17年度補正予算案に計上する見通しだ。
 全国に計約2万ある中小河川で行う緊急治水対策は、九州北部豪雨後に行った緊急点検の結果を踏まえ、近年の洪水で被災し、家屋や要配慮者利用施設などの重要施設が集中している河川やその流域に重点化して進める。対策の柱は、▽河川の氾濫再発防止対策▽土砂・流木対策▽洪水時の水位監視による円滑な避難誘導-の3点となる。
 河川の氾濫再発防止対策では、流下能力を高める河道掘削や堤防整備などのハード対策を約400河川(整備対象延長約300キロ)で行う。事業費として約2300億円を充てる。
 九州北部豪雨で被害の拡大を招いた土砂・流木への対策では、捕捉効果が高い透過構造の砂防堰堤整備などのハード対策を約500河川(整備対象区域約700渓流〈カ所〉)で行う。約1300億円を投じる。
 洪水時の河川水位観測に特化した低コストの水位計設置も約110億円を投じて約5000河川(約5800カ所)で進め、豪雨時に自治体による住民の避難誘導を円滑化できるようにする。
 これらの対策は主に都道府県が主体となって取り組む予定。そのため、国交省は主に防災・安全交付金を通じて自治体の取り組みを支援していく方針だ。
 《都道府県別の計画量》
 ■河川整備(対象延長)
 △岩手(44.0km)△北海道(42.3km)△福岡(20.0km)△高知(18.5km)△兵庫(10.5km)
 ■土砂・流木対策(渓流の対象箇所数)
 △長野(52)△広島(43)△新潟(41)△兵庫(40)△鹿児島(38)
 ■洪水時の河川水位監視(水位計設置箇所数)
 △北海道(587)△福島(342)△愛知(341)△岩手(338)△岐阜(同)

(日刊建設工業新聞様より引用)