国交省/多様な入札契約方式モデルに4件選定/設備一斉更新や復興事前検討事業

 国土交通省は3日、新たな入札契約方式を導入する地方自治体を募り、専門家派遣などで支援する「多様な入札契約方式モデル事業」で、東京都板橋区の小中学校の空調設備一斉更新事業など4件を選定したと発表した。難易度の高い庁舎の改修・改築などのほか、大規模災害を想定した復旧・復興事前検討といった新たな取り組みも支援。課題解決につながる入札契約方式の導入可能性を国の支援を得て検討する。
 選定されたのは、▽板橋区の小中学校等空調設備一斉更新事業▽長野県上田市の庁舎改修・改築事業▽奈良県桜井市の新庁舎建設事業▽徳島県と徳島県美波町の大規模災害を想定した復旧・復興事前検討事業-の4事業・5団体。
 板橋区の事業は、更新時期を迎えている78施設の冷暖房機器(室内機約4600台、室外機約2900台)を一斉更新する。事業の全体スケジュールや、一括または分離・分割での発注など全体計画とともに、包括発注方式や複数年発注方式の導入を検討。メンテナンス付きリースやPFIでの調達も検討する。設備機器の一斉更新がモデル事業の対象になるのは初めて。
 桜井市は築50年の現庁舎を、公共施設等適正管理推進事業債(仮称)を活用して2020年度までに建て替える。プロポーザル審査などのノウハウが不足しているためCM(コンストラクション・マネジメント)方式の導入を検討。施工者選定には、事業の早期段階から施工予定者(優先交渉権者)が技術協力するECI(アーリー・コントラクター・インボルブメント)方式またはデザインビルド(DB=設計・施工一括)方式を検討する。プロジェクト上流の基本計画段階から支援に当たる。
 上田市は、西庁舎、本庁舎(低層棟と高層棟)、南庁舎で構成する現庁舎を、西庁舎と本庁舎は順次建て替え、南庁舎は耐震補強・改修する。限られた工期と敷地で建て替えと耐震改修を円滑に進めるため、ECIまたはDBの導入を検討。発注者側のノウハウ不足を補完するためCM方式も検討する。モデル事業で複数の庁舎を対象に建て替えと耐震改修を支援するのは初めてとなる。
 山地が迫る沿岸部に位置する美波町は、巨大地震発生に備えた高台移転構想を持つ。県や町が保有する被害想定データや、東日本大震災の復興CM方式に関する研究成果などから、インフラの応急復旧、本復旧、復興の各段階の諸課題に対応可能な最適な入札契約方式を検討する。入札契約方式の備えとなる手引書を作成する。複数自治体による復旧・復興に関する入札契約方式の事前検討がモデル事業になるのは初めて。
 いずれの発注方式も応募段階で自治体が検討を希望したもので、モデル事業での検討後、他の方式を選択する可能性もある。自治体を支援する民間事業者は3日に公募を始め、7月下旬に選定。来年3月までモデル事業に対するアドバイスなどを行ってもらう。

(日刊建設工業新聞様より引用)