国交省/大規模盛り土造成宅地マップの公表促進/市区町村に要請、熊本地震被害教訓に

 国土交通省は28日、全国の市区町村に対し、大規模地震発生時に崩落するリスクが高い大規模盛り土造成宅地の位置情報を示したマップを早期に作成・公表するよう要請した。同日付で都市局都市安全課長名で都道県などを介して通知した。昨年4月の熊本地震で100億円を超す規模の宅地崩落被害が発生したのを教訓に、宅地所有者に自発的な耐震対策を促す狙いがある。
 大規模盛り土造成宅地は、盛り土面積3000平方メートル以上か、20度以上の急傾斜の地山で高さ5メートル以上の盛り土を行った宅地が該当する。その位置情報を市区町村単位で示したマップの作成・公表を求める。
 国交省によると、熊本地震の被災地では、大規模盛り土造成地を中心とする崩落などの宅地被害が約1・5万件発生。その復旧に充てられた費用は100億円を上回るという。現時点で大規模地震が発生すると崩落するリスクの高い大規模盛り土造成宅地は全国に最低でも1000カ所以上あるとみられている。
 今回の通知は市区町村に対し、できるだけ多くの宅地所有者に地震リスクを速やかに知らせてもらい、地震発生時の被害を最小化するための自発的な耐震対策を喚起する狙いがある。
 国交省によると、全国の市区町村計1741団体(政令市・中核市・特例市含む)のうち、10月時点でマップを公表しているのは55・4%の964団体にとどまる。124団体はマップを作成済みながら未公表、358団体は作成に必要な調査にも未着手という。市区町村のマップの公表率を都道府県別に見ると、11県(栃木、富山、石川、島根、岡山、山口、佐賀、熊本、大分、鹿児島、沖縄)がゼロという。
 今回の通知では、参考資料として10月時点で17年度に入ってマップを公表した104団体、作成済みながら未公表の124団体、作成に向けた調査にも未着手の358団体の各リストも併せて送付した。
 国交省は、現行の第4次社会資本整備重点計画(15~20年度)で、20年度末までにマップの公表率を70%へと引き上げる目標を設定している。

(日刊建設工業新聞様より引用)