国交省/官庁営繕のBIM活用、工事では低調/効果蓄積し指針改善も検討

 国土交通省は、官庁営繕事業でのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用状況をまとめた。17年度は9月末時点で、設計業務では2件に導入されたが、工事はゼロ。BIMの適用を始めた14年度からの累計は設計業務の20件に対し、工事は5件にとどまる。同省は活用事例での効果などを引き続き蓄積するとともに、必要に応じてガイドラインの改善を検討。工事に関する内容を充実させる考えだ。
 国交省官房官庁営繕部は、設計や工事を発注する際の仕様書に、3次元(3D)の建物モデルを構築する上での留意事項などを示した「BIMガイドライン」を14年3月に策定。14年度から官庁営繕事業に適用しているが、BIMを取り入れるかどうかは受注者の判断に委ねており、受注者にBIMモデルを成果物として提出させることもしていない。
 これまでの活用状況は、14年度が設計5件・工事0件、15年度が設計6件・工事3件、16年度が設計7件・工事2件、17年度(9月末まで)が設計2件・工事0件となった。
 受注者からはBIM活用の効果として、「庁舎や外観などの歩行者の視点での空間把握」「他工種間の収まりの検討・確認」「発注者・受注者・入居官署間のイメージの共有」などの意見があった。一方、課題としては、「作成に当たり手間と時間がかかる」「他工種間のソフト互換の問題によるずれの発生」「情報量が多いためシミュレーションに時間がかかる」などが挙がっている。
 国交省は、BIMの活用はまだ限定的であり、「施工段階でのBIM活用の提案に期待したい」(官房官庁営繕部整備課)としている。今後、工事での活用事例を増やして効果や課題などを蓄積し、BIMガイドラインの改善に向けた検討に役立てる。
 活用に向けた今後の展開として、情報発信にも一層力を注ぐ。BIMガイドラインや活用事例の効果などを、ホームページや各種会議を通じて広く発信。他省庁や自治体を含めた公共建築全体へのBIMの普及につなげる考えだ。

(日刊建設工業新聞様より引用)