国交省/災害時の官庁施設機能確保で指針改定/津波と水害追加、最新基準類を反映

 国土交通省は、災害発生時に官庁施設の機能を確保するための手法を示した指針を改定した。業務を行う場となる各省庁の施設を災害時も有効に機能させるのが狙い。従来、地震だけだった対象事象に「津波」と「水害」を追加。東日本大震災を機に改定した「官庁施設の総合耐震・対津波計画基準」など最新の基準類を踏まえ、官庁施設に求められる機能やそれを満たすための具体的な手法を盛り込んだ。国交省は今後も各省庁の業務継続力の向上に必要な支援を行っていく。
 国交省官房官庁営繕部は、非常時に備えて、官庁施設の機能を確保する際の参考となる「業務継続のための官庁施設の機能確保に関する指針」を10年3月に作成。11年3月の東日本大震災後、津波に対して官庁施設が備えるべき耐震安全性の目標を定めた総合耐震・対津波計画基準が13年3月に改定されたことなどから今回、基準類の最新動向も踏まえて指針を初めて改定した。
 改定版(16年版)では基本的な対象事象として、地震、津波、水害の三つを設定。被害や施設に影響する状況変化を可能な限り想定した上で、平常時から機能の確保と維持に努めるとともに、機能回復が不可能となる状況を想定した代替機能・手段を準備しておくことの重要性を指摘した。
 新たに加えた水害は、河川氾濫や高潮、内水氾濫による浸水被害を想定。津波は押し寄せる波と引いていく波による構造被害だけでなく、津波収束後の浸水被害も想定している。浸水に対する性能の水準を確保するための対策例を明示。例えば、業務継続に必要となる電力や通信・情報に関する設備・機器類は、想定される最高水位より高い位置に設置し、万が一の浸水に備え、系統の切り離しを可能にすることを挙げている。
 政府は業務継続計画(首都直下地震対策)を14年3月に閣議決定、内閣府は中央省庁業務継続ガイドラインを16年4月に改定した。これらを受け、施設管理者の責務として、帰宅困難者などを受け入れる場合に必要となる施設機能を検討することも追記された。
 施設管理者と官庁営繕部などが効率的かつ確実な被災情報の共有に用いる統一の伝達様式を15年7月の中央官庁営繕担当課長連絡調整会議で申し合わせた。これに伴い、発災時チェックシートも改定し、統一様式との整合を図った。

(日刊建設工業新聞様より引用)