国交省/社保未加入対策、民間発注者に徹底要請/法定福利費確保に配慮を

 国土交通省は建設業の社会保険未加入対策の一環として、民間発注者36団体に対し、法定福利費を必要経費として見込んだ価格での工事発注を要請した。建設業許可業者の加入率100%を目指す目標年次の17年度が迫る中、官民の全工事を対象に、適正な請負代金による契約などを基本理念とする建設職人基本法が16日に施行。民間発注者に改めて社会保険未加入対策の取り組みを周知した。
 国交省は民間発注者団体に対し、公共工事設計労務単価の改定を踏まえた要請文書を毎年送付。16年度も2月に技能労働者の処遇改善に向けた取り組みへの理解とともに、必要経費を適切に見込んだ適正な価格での請負契約の締結を求める文書を出した。
 3月16日付の要請文書は、社会保険未加入対策の徹底に特化した内容で、12年7月、13年6月に続いて3回目。各団体から所属企業への周知を求めている。
 文書では、建設業の社会保険未加入対策の取り組みについて理解と協力を要請。発注工事の作業を担う労働者の法定福利費を含む適正な積算に基づき発注を行うよう求めた。
 本来は固定費であるべき法定福利費が受注競争の激化などにより変動費化し、請負金額の中で十分に確保されない状況にあるとして、法定福利費を内訳明示した見積書を活用し、請負金額の中で法定福利費を確保する取り組みを具体策に挙げた。
 国交省が策定した「社会保険加入に関する下請指導ガイドライン」は、17年度以降は適切な社会保険に加入していることが確認できない作業員については、特段の理由がない限り現場入場を認めないという取り扱いにすべきだと明記。「発注者・受注者間における建設業法令順守ガイドライン」では、受発注者とも見積もり時から法定福利費を必要経費として適正に考慮すべきとされていることを周知した。
 国交省は社会保険加入の目標として「17年度をめどに許可業者単位で100%、労働者単位で製造業並み」と設定している。建設職人基本法では基本理念に適切な請負代金による契約や建設工事従事者の安全・健康の確保などが掲げられ、国会の委員会決議や付帯決議には社会保険未加入対策の一層の推進が明記された。

(日刊建設工業新聞様より引用)