国交省/立体道路制度の地域要件緩和へ/商業施設一体の交通ターミナル整備条件に

 国土交通省は、道路と構造上一体になった建築物を建てられる「立体道路制度」の適用範囲を拡充する。地方からのニーズが高く、広い土地を確保しにくい市街地の鉄道駅周辺で商業ビルと一体になった交通ターミナル施設の整備に制度の適用を促進。こうした施設の整備を条件に特例として、現在は3大都市圏(東京、大阪、名古屋)や政令市の中心部などの一部に限っている制度の地域要件を緩和する方向だ。できるだけ早く今回の拡充内容を反映させる関係法令の改正を目指す。
 立体道路制度の拡充に向けた方向性は、27日に開かれた社会資本整備審議会(社整審、国交相の諮問機関)道路分科会基本政策部会(部会長・石田東生筑波大教授)で提示された。
 交通ターミナル施設の普及に向けた立体道路制度の活用促進は、政府全体の16年度版成長戦略に初めて盛り込まれた。2020年東京五輪までに訪日外国人旅行客(インバウンド)の急増が見込まれる中、今回の立体道路制度の拡充は新たな観光戦略として公共交通網を充実させ、利便性と収益性の向上を両立させる狙いがある。
 改正の柱は条件付きでの地域要件の緩和。市街地で立体道路制度を活用して鉄道やバスといった複数の公共交通機関の結節機能と、商業ビルなどの収益施設建築物を一体的に整備する場合、現在は国の特定都市再生緊急整備地域(12地域3894ヘクタール)と都市再生緊急整備地域(63地域8372ヘクタール)に限っている要件を緩和する方向だ。
 国交省は、4月に東京のJR新宿駅南口で開業した商業施設と一体整備した高速バスターミナル施設「バスタ新宿」のような施設を全国に普及させるイメージを想定している。バスタ新宿は、関東地方整備局が鉄道線路上に人工地盤を造ってから、施設内の進入路を立体道路区域に設定して直轄で整備。高速バスの利用者を中心に連日にぎわっている。
 立体道路制度の改正では、鉄道駅の利用者と周辺住民の利便性向上策として、地上・高架自由通路と駅舎の一体整備も促す。現在は地元自治体がこうした事業の推進に特化した条例を制定すれば、特例として300メートル以上と定める自由通路の整備延長要件を緩和できるが、条例を制定しなくてもこの特例を使えるようにする方向で検討していく。

(日刊建設工業新聞様より引用)