国交省/自治体の下水道定期点検状況/初年度実施率は1割、平準化・早期措置要請へ

 国土交通省は、地方自治体が管理している下水管の点検結果や今後の改修予定時期などをまとめた「メンテナンス年報」を初めて作った。2015年施行の改正下水道法で定期点検が義務付けられた腐食リスクの大きい既設管に絞って調べたところ、実質的な対策初年度に当たる16年度の点検実施率は約1割にとどまった。国交省は速やかで計画的な点検や改修・更新を促す。
 インフラ老朽化対策の一環でメンテナンス年報を作ったのは、下水管が道路に次いで2分野目となる。
 国交省によると、全国で15年度までに整備された下水管の総延長は約47万キロ。年報の対象施設は、改正下水道法で5年に1回以上の定期点検が義務付けられ、下水から発生する硫化水素の影響で腐食リスクの大きい既設管(対象延長約5017キロ)におおむね限定。市町村単位の下水道事業者(計1565事業者)に細分化し、主に16年度の点検実施率や改修予定時期をまとめた。
 点検実施率は9・8%(対象延長約490キロ)。劣化度が大きく改修などの優先度が高い方から順に、速やかな措置を必要とする「緊急度I」と判定された既設管は1%(5キロ)、できるだけ早期の対策を必要とする「緊急度II」は6%(約28キロ)、劣化状況を確認しつつ対策時期の検討を必要とする「緊急度III」は9%(44キロ)あった。
 緊急度Iの管のうち24%(1・2キロ)は既に緊急措置を完了。17年度までに緊急措置は46%(2・3キロ)で行われる。残りの30%(1・4キロ)の緊急措置は18年度以降になる。
 点検実施率を都道府県別に見ると、群馬(22・6%)、石川(28・6%)、静岡(23・8%)、和歌山(26・3%)、宮崎(22・3%)の5県は20%超と比較的高かったが、28都道府県は1桁にとどまり、高知はゼロだった。
 今後の点検実施計画を見ると、延長ベースで17~19年度は平均10%台半ば(実施率17年度13%、18年度13%、19年度15%)で推移。残り49%(対象延長約2458キロ)の点検は5年ごとの定期点検サイクルの1回目の最終年度に当たる20年度に集中する見通しだ。
 国交省は、自治体に対して実施時期の平準化による着実な点検と、点検で損傷などが発見された際の速やかな対策実施を求める。年報はほぼ1年ごとに更新し、自治体に参考データとして活用してもらう。

(日刊建設工業新聞様より引用)