国交省/道路のり面点検要領策定/大規模切り土・盛り土は5年ごと近接目視

 国土交通省は、道路のり面を構成する切り土、盛り土、擁壁に特化した道路土工構造物の点検要領を策定した。規模が比較的大きい高さ15メートル程度以上の切り土と高さ10メートル程度以上の盛り土を「特定道路土工構造物」と位置付け、地方自治体などの道路管理者に対して5年ごとに近接目視による点検の実施を求める。近く道路管理者に通知する。
 点検要領は、高速道路や一般国道をはじめ、地域で防災上重要かつ走行量が多い都道府県道・市町村道ののり面に適用する。
 点検要領で特定道路土工構造物と位置付ける大規模な切り土と盛り土は、道路管理者に5年に1回を目安とする近接目視による定期点検の実施を求める。いずれものり面を保護する擁壁などの施設や排水施設も定期点検の対象とする。
 大規模な切り土と盛り土の定期点検を行う具体的な時期や頻度の設定は、のり面の崩壊誘発要因として水の影響が大きいことを指摘し、地域の実情に応じて寒冷期や融雪期、梅雨などの降雨期を考慮することが望ましいとしている。点検の具体的な方法については、必要に応じて触診や打音検査などの非破壊検査技術の適用の検討を求める。
 点検結果に基づく構造物の健全性の診断は、▽健全▽経過措置段階▽早期措置段階▽緊急措置段階-の4段階評価のいずれかに区分し、その結果に応じた措置を行うことが望ましいとしている。
 例えば、4段階中最悪の状態を示す緊急措置段階の構造物の措置は、通行規制を行った上で可能な限り大規模な崩壊を防ぐための措置を求める。2番目に悪い状態を示す早期措置段階の構造物は、補修・補強や雨水浸透を防ぐためのブルーシート掛けなどを行うことが望ましいとしている。
 一方、特定道路土工構造物以外の比較的小さなのり面の点検は、巡視や一般からの通報を基に、変状が確認できた場合に行うことを求める。
 国交省は、12年に中央自動車道笹子トンネル(山梨県大月市)で起きた天井板落下事故を教訓に、現在までに橋梁やトンネル、舗装、シェッドや大型カルバートに特化した道路土工構造物、横断歩道橋などの付属物といった道路施設全般を対象にそれぞれ点検要領を策定してきた。今回ののり面に特化した道路土工構造物で道路施設の点検要領の策定は最後になる。

(日刊建設工業新聞様より引用)