国交省/道路橋の新設設計基準見直し/限界状態法と部分係数法原則化、18年1月適用

 ◇限界状態法と部分係数法を原則化
 国土交通省は道路橋の新設設計基準を見直し、来年1月から適用する。近年進展した構造形式の多様化や材料の開発に対応し、標準設計手法を全面的に転換。従来手法よりもきめ細かく荷重などへの安全性を評価できる「限界状態法」と「部分係数法」を原則化する。標準供用期間は適正な維持管理を前提に100年と設定。21日付で地方整備局や高速道路会社、地方自治体に通知する。
 見直しの最大の柱が標準設計手法の全面転換。従来は車両走行時や地震発生時などで、橋にかかるすべての荷重条件を考慮して一つの限界値・安全率を算出・設定する許容応力度法を標準としてきた。今回の見直しでは、すべての荷重条件ごとに限界値や安全率をそれぞれ算出・設定する、限界状態法と部分係数法に切り替える。
 限界状態法と部分係数法を原則化するのは、建設工事や維持管理に必要な費用が削減できる多様な構造や材料などの開発・提案を促し、その評価をより正確かつきめ細かく行えるようにする狙いがある。
 長寿命化対策として標準設計供用期間は100年とする。適正な維持管理の着実な実施を前提に、供用開始後100年は供用開始当初とできるだけ近い、良好な状態を保てるようにする。目標を達成するため、設計基準には劣化を遅らせる部材の寸法のポイント、維持管理段階での部材交換や点検をやりやすくする構造のポイントなど、具体例を盛り込む。
 昨年4月に発生した熊本地震で落橋など道路橋の被害が多発したのを教訓に、耐震性能を強化する規定も拡充する。新たに下部構造を安定化させる構造形式の規定を追加。熊本地震で落橋被害を招いた多柱式で水平方向の抵抗力を受け持たない「ロッキング橋脚」の採用は、事実上推奨しないとした。斜面変状に配慮した橋台の設置などに関する規定も明確化。必要に応じ橋脚の基礎先端をより深い支持層にまで届かせる必要性を指摘している。
 15年に全国各地で見つかった「落橋防止装置」部材の溶接不良問題を教訓に、装置の完全溶け込み溶接継ぎ手の全数検査を行う検査規定も明確化した。
 道路橋の新設設計基準の見直しは、12年に東日本大震災を教訓に設計地震動を見直して以来約5年ぶりとなる。

(日刊建設工業新聞様より引用)