国交省/ICT浚渫工の新技術基準類案/3Dデータ一貫使用へ、17年度に試行開始

 国土交通省は1日、浚渫工事現場の生産性向上策としてICT(情報通信技術)の全面活用を試行するため、16年度末までに整備する計4種類の技術基準類の案をまとめた。全工程で3次元(3D)データを一貫して使用できるよう、基準類ごとに3Dデータの処理方法などを示した。今後、海底地形を面的に把握できるマルチビーム測深機の使用料を含めた積算基準も整備し、17年度から国の現場で試行に入る。
 基準類の案は、同日開かれた「港湾におけるICT導入検討委員会」(委員長・岩波光保東工大大学院教授)で提示された。
 新設する基準類は、▽マルチビームを用いた深浅測量マニュアル(調査・測量・設計)▽港湾工事数量算出要領(施工)▽3Dデータを用いた出来形管理要領(同)▽3Dデータを用いた出来形管理の監督・検査要領(検査)。
 いずれの基準類も、すべての工程で3Dデータを一貫して使用できるように配慮し、3Dデータの処理方法や活用方法などを示した。例えば、マルチビームを用いた深浅測量マニュアルの案では、基本的な測量方法として0・5メートルの平面格子内に3点以上の取得点密度を確保。3Dデータを用いた出来形管理要領の案では、マルチビームによる出来形計測方法として0・5メートルの平面格子データの中から最浅値を抽出するとしている。
 国交省は、ICT浚渫工の試行に向け、16年度末までに現行の▽電子納品要領・基準等港湾空港関係(調査・測量・設計)▽出来形部分払い方式等に係る要領等(検査)▽工事成績評定要領(同)-の3種類の基準類も見直す。さらに、マルチビーム測深機の使用料を含めた港湾土木請負工事積算基準を整備する。
 ICT浚渫工は、省を挙げて推進する建設現場の生産性向上策「i-Construction」の一環。このトップランナー施策として土工で先行しているICT施工の港湾分野での先駆けに当たる。
 国交省によると、過去3年間で国直轄の浚渫工の件数は年間100件程度で推移。17年度は比較的大規模な現場を抽出して試行に入るとともに、港湾にある防波堤など陸上構造物の工事や維持管理へのICT全面活用も探る。

(日刊建設工業新聞様より引用)