土木学会/インフラ健康診断書の試行版公表/河川・下水道・道路の健全状態評価

 土木学会は、国や地方自治体が管理する河川(堤防、河川構造物、ダム)、下水道(管路)、道路(橋梁、トンネル)の健全状態や維持管理体制を評価した「インフラ健康診断書(試行版)」を公表した。健全状態を5段階、維持管理体制を3段階で評価。健全状態はトンネルが下から2番目の「D」、堤防と河川構造物、下水道、橋梁が「C」、ダムが「B」、維持管理体制は橋梁が最も良い「改善方向」、トンネルが「現状維持」、堤防と河川構造物、ダム、下水道が「悪化方向」と診断された。
 診断結果はパンフレットなどを通じて公表し、国民にインフラの維持管理・更新の重要性を理解してもらうのに役立てる。今年は、昨年に公表した道路部門に続き、河川と下水道の2部門も追加。土木学会は3部門の診断を継続しながら、18年度に港湾など他部門の診断結果を順次公表し、21年度にはインフラ全体(約16部門)の診断書の公表を目指す。
 評価指標である健康度はA(健全)、B(良好)、C(要注意)、D(要警戒)、E(危機的)の5段階、維持管理体制は「現体制が続けば健康状態が改善」「現体制が続けば健康状態が継続」「現体制が改善しない限り健康状態は悪化」の3段階で評価した。
 河川部門のうち、堤防(延長7・4万キロ)と河川構造物(水門、樋門・樋管2万6000基)の健康度は国管理の施設を対象に16年度の出水期前の点検結果を、ダムの健康度は国、自治体、水資源機構管理の施設(560基)を対象に16年度末までの定期検査結果を使って評価した。
 その結果、堤防と河川構造物は早めの補修が必要な状態の「C」、ダムはある程度の施設で変状が進行している状態の「B」となった。維持管理体制では「悪化方向」とし、予算や人員の充実が必要と指摘した。
 下水道部門の健康度は、全国の管路(延長46万キロ)を対象に国土交通省と日本下水道協会が定期収集している情報を利用し、自治体の人口規模に応じて評価した結果、全体として「C」となった。人口規模別では、東京23区・政令指定都市がD、30万人以上がC、10万人以上がB、5万人以上と5万人未満がいずれもAだった。
 敷設後50年を経過した管路は約2%と新しい施設が多く、都市部から整備が進んだ影響が鮮明となった。維持管理体制は「悪化方向」で、技術職員が減少する中小都市を中心に「憂慮すべき状況」としている。
 道路部門の健康度は、道路管理者が道路法に基づく統一基準を使って点検・診断を行った橋梁(約73万橋)、トンネル(約1万本)の一部調査の結果などを利用して評価した結果、橋梁はC、トンネルはD。管理機関別では、橋梁は市区町村道がD、国道、都道府県・政令市道、都市内・都市間の高速道路がC、トンネルは都市内高速道がA、国道と都市間高速道がC、都道府県・政令市と市町村道がDだった。
 維持管理体制では、橋梁の健康状態は改善方向だが、トンネルは地方で維持管理体制の継続を前提に現状維持とした。

(日刊建設工業新聞様より引用)