土木工事標準単価ー利用発注機関広がる/現場の施工実態反映、対象工種追加検討も

 国土交通省が4月から全地方整備局の直轄工事で活用している「土木工事標準単価」が広がりを見せている。建設物価調査会と経済調査会が実態調査を行って設定する歩掛かりを基にした標準単価は現在14工種。10月と18年4月に3工種ずつ加わる予定で、さらなる追加への検討も進む。建設物価調査会によると、都道府県・政令市で31団体、私鉄各社や高速道路各社なども利用しているという。
 土木工事標準単価は、標準的な工法による施工単位当たりの直接工事費を示す。国交省は、13年7月に関東、14年7月に近畿の両地方整備局の積算業務で運用を開始した。この実績を踏まえ、今年3月に本省から各整備局などに出した文書「物価資料掲載の土木工事標準単価の活用について」では、両調査会が発刊する物価資料に掲載された標準単価を土木工事の予定価格の積算に活用できることを周知。4月以降、全整備局、北海道開発局、内閣府沖縄総合事務局で運用が始まった。
 土木工事標準単価は、施工実態を調べ、最新の機械・労務・材料費を積み上げて算出する。市場の取引実態を反映する市場単価に対し、現場の施工実態を反映しているのが特色だ。土木工事標準歩掛かりにないものや、物価資料にない単価について国交省は特別調査や見積もり取得を行うこととしているが、物価資料に掲載される土木工事標準単価を用いれば、調査委託費用や人件費を削減できる。
 現在、標準単価が設定されているのは、国交省や自治体から要望を受けたものを含めて計14工種。このほか、10月から区画線工、高視認区画線工、排水構造物工の3工種、さらに18年4月からコンクリートブロック積み、橋梁塗装工、構造物取り壊し工の3工種が、市場単価方式による単価設定から土木工事標準単価に移行する。これらの工種の市場単価方式を廃止するのは良好な取引データの収集が難しくなってきたことが理由という。国交省は積算に当たり、両調査会の単価の平均値を出して活用するとしている。
 新技術情報提供システム(NETIS)の掲載技術の中で暫定歩掛かりが設定されていたストーンネット工やKB目地など7工種は、10年の掲載期限を迎え、「NETIS掲載期間終了技術リスト」への移行と同時に暫定歩掛かりも廃止された。このため調査会は、国交省の要請でニーズの高い工種を中心に土木工事標準単価への移行の可否を検討中だ。
 物価調査会は、ニーズの高い維持補修工種を中心に引き続き対象の拡大に取り組んでいく方針だ。

(日刊建設工業新聞様より引用)