地方自治体/公共建築工事の改定積算基準浸透/都道府県・政令市、8割が4月中に適用

 ◇適正な予定価格設定へ/一般管理費等率など見直し
 国土交通省が一般管理費等率を見直して16年12月に改定した公共建築工事積算基準を、4月中に適用または適用予定の都道府県・政令市が約8割に上ることが同省の調査で分かった。時期は未定ながら適用を検討中の都道府県・政令市も約1割あった。市区町村の中には既に適用を始めた団体もあり、適正な予定価格の設定に向けた積算上の対応が地方自治体にも着実に浸透しているようだ。
 国交省は改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)で発注者の責務として受注者の適正利潤の確保が明記されたのを受け、直轄営繕工事の受注実績がある企業に財務実態調査を実施。この結果を基に一般管理費等率と下請企業の経費率を見直し、16年12月に公共建築工事積算基準を改定。1月の入札公告案件から適用している。
 都道府県・政令市にも改定内容を周知し、2月1日時点の動向を調査したところ、3月までに適用または適用予定の都道府県・政令市(計67団体)は約3割だったが、4月中に適用または適用予定は約8割まで増加した。新年度を機に適用を始める傾向が顕著に現れた形だ。
 京都府は1月以降に積算に着手する工事から、三重県は1月以降に施行起案する案件から適用。大阪府や神奈川県は2月から適用中。東京都は4月1日以降の起工案件に適用する。
 国交省は熊本地震の被災地で発注が本格化する公共建築工事の施工確保対策として、営繕積算方式活用マニュアルの「熊本被災地版」を作成。対策の一つとして、「最新の国の積算基準(一般管理費等率の見直し等)の適用」を盛り込んだ。これを受け、熊本県は2月10日以降の公告案件から一般管理費等率を見直した。
 本省官庁営繕部や各地方整備局営繕部などに開設している「公共建築相談窓口」にも積算に関する相談が多く寄せられている。16年12月に一般管理費等率と下請企業の経費率の見直しを発表したのを受け、12月単月の積算の相談件数が前年同月のほぼ倍に増えた。
 長野県松本市が2月1日以降に入札公告する工事から、宇都宮市が3月1日以降に起工する工事から適用するなど市区町村でも導入が始まっている。
 今回の改定で、適正利潤を確保するための予定価格設定に向けた積算上の対応が図られたことになる。川元茂官房官庁営繕部長は「それぞれの発注者にいかにこの積算基準を使っていただくかがポイント。地方自治体に浸透させていきたい」としている。

(日刊建設工業新聞様より引用)