埼玉県内自治体/公共施設木造化の機運高まる/推進協議会が後押し

 埼玉県内で公共施設の木造化機運が高まってきた。同県内の公共建築物の木造率(林野庁試算、15年度)は9・3%と関東1都7県(山梨県含む)で6位。1位山梨県(27・9%)との間には大きな開きがあるが、近年は木材を多用した保育園や小学校が建設され、木造化の普及・啓発組織も発足。関連のシンポジウムに参加する市町村職員も増えている。
 同県内では近年、所沢市立富岡保育園、杉戸町立すぎと幼稚園・すぎと保育園(複合施設)、和光市立下新倉小学校など木材を大量に使った公共施設が建設され、県内外からの視察が相次いでいる。
 さらに、木造公共施設の普及・啓発を図る組織として「埼玉県木造公共施設推進協議会」(板東正一郎会長)が昨年4月に発足。協議会が7月に所沢市、今年4月にさいたま市で協議会が開いたシンポジウムには多数の市町村職員が参加した。
 21日にさいたま市の埼玉会館で開かれた協議会の総会では、公共施設木造化の現状と課題についての意見交換が行われた。出席者からは「県・市町村の営繕関係職員のうち、木造についての知識・認識を持っているという人は2割程度というのが実感だったが、かなり変化が出てきた。昨年7月に所沢市で開いた『子育て施設の木造化・木質化』をテーマにしたシンポジウム(224人が参加)が大きな反響を呼んだようだ」との報告があった。
 協議会は市町村職員を対象に昨年11月2日、ときがわ町と飯能市で木材の伐採から製材・乾燥・プレカットまでの一連について学習する「産地見学会」を開催(25人が参加)。同8日には「地域材を活用した木造公共施設の企画・計画・予算づくりの手順」などをテーマとするセミナーも開いた。こうした自治体職員への啓発活動が徐々に効果を上げているとみる。
 林野庁の「木造公共施設整備補助金」の補助率が17年度、従来の50%から15%に引き下げられたことを受け、県は国に対して補助率を元に戻すよう要望している。

(日刊建設工業新聞様より引用)