大成建設/空洞充てん工法の品質管理技術確立/施工中の注入材配合調整可能に

 大成建設は3月31日、基礎地盤の空洞充てん工法として展開している「T-PLUS」の品質管理技術を開発したと発表した。護岸基礎の耐震補強などで捨て石を利用した護岸マウンド基礎の隙間を充てんする際、注入材(可塑性グラウト)の配合割合を算出する方法を確立。施工中でも注入状況を確認して配合を調整できるようになり、施工品質の向上と施工期間、コストの削減が期待できる。
 薬液注入による基礎地盤の耐震補強や、基礎掘削による施設の拡張・更新工事では、基礎に用いられる捨て石マウンド基礎の隙間からの薬液の流出や海水の流入を抑制することが必要になる。このため同社では粘性を有する注入材で捨て石層の隙間を充てんするT-PLUSを開発し、09年から注入地盤改良工事に適用している。
 捨て石の隙間を的確に充てんするためには、注入材の浸透性と滞留性が重要になるが、セメントミルクとベントナイト溶液、水ガラスで構成する注入材の最適な配合割合を選定するために、これまでは事前の実験を繰り返していた。施工後の品質管理では、ボーリングサンプルにより充てん状況を確認する必要もあった。
 今回開発した管理手法では、これまで蓄積してきたデータを活用して注入材の注入圧力の算定方式を割り出し、注入圧と注入速度の関係から、注入材の配合割合を算出する手法を確立。捨て石や隙間の大きさに応じた理想の硬さを算出できるため、事前の実験が不要となり、検討期間やコストの削減が図れる。
 注入時間と注入圧の関係から注入状況を予測することもできるため、施工中の実測値と予測値の関係をモニタリングすることで注入状況をリアルタイムで判断し、施工中に配合割合を調整することも可能になる。
 近年の巨大地震の発生で港湾や沿岸部の施設整備の需要が高まっている。同社は今後、港湾施設や発電所など沿岸域に立地する施設の耐震補強工事などで、開発した管理技術の適用を積極的に提案する方針だ。

(日刊建設工業新聞様より引用)