奈良市/本庁舎耐震化基本構想/RC壁や鉄骨ブレースで補強、18年度に実施設計

 奈良市は、大地震の際に甚大な損傷が発生する恐れがある本庁舎の耐震化基本構想をまとめた。施設を供用しながらの工事の実現とコスト縮減、工期短縮、執務環境の維持を満たす対策として、RC造の壁増設や鉄骨ブレースの設置などを組み合わせた耐震補強工法を採用。18年度に実施設計に着手し、19年度の着工、20年度内の完成を目指す。長寿命化工事などを含む全体事業費は約37億円を見込む。基本構想策定業務を安井建築設計事務所が担当。
 現在の本庁舎(奈良市二条大路南1の1の1)は▽中央棟(RC造地下1階地上6階建て延べ1万5240平方メートル)▽東棟(RC造2階建て延べ3293平方メートル)▽西棟(RC造4階建て延べ5257平方メートル)▽北棟(SRC造地下1階地上6階建て延べ9652平方メートル)▽駐車場棟(S造平屋4340平方メートル)▽倉庫棟(S造2階建て延べ608平方メートル)-で構成している。このうち、1977年に建設された中央棟と東棟、西棟は耐震性能が不足している。
 市では耐震性の向上に向け、16年度に外部の専門家などで構成する「奈良市本庁舎耐震化整備検討委員会」を設置。建て替え案や耐震補強改修案の各種整備方針の比較検討を行った結果、主にコスト面で改修案が優れ、構面数で靱(じん)性型補強が優れるなどとする報告書をまとめた。
 基本構想によると、中央棟では屋上の防水押さえコンクリートなどを撤去して荷重軽減を図った上で、北側外部に耐震壁・鉄骨ブレースで構成する4層の外付けフレームを増設。中央コア部分の補強を可能な限り少なくし、北面に鉄骨ブレースを配置することで施設供用中の施工を可能にする。
 西棟では1、2階の水平耐力を増大させ、剛性率を改善するために増し打ち壁補強や開口閉そく補強、鉄骨ブレース補強(一部外付け)による強度抵抗型の補強方法を採用。東棟では1、2階で水平耐力の増大と偏心率の改善に向け、増設壁補強や増し打ち壁補強、増設ブレース補強による強度抵抗型の補強方法を取り入れる。
 耐震補強工事に合わせ、内壁タイルや特定天井(中央棟1階市民ロビー、西棟3階議場)といった非構造部材の耐震対策を行うほか、バリアフリー化や中央監視設備の更新、屋上防水改修などの長寿命化対策も検討していく。
 市では現在、本庁舎耐震改修その他工事に伴う実施設計業務の入札手続きを進めている。31日まで申請書、6月21日まで入札書を受け付け、翌22日に開札する。

(日刊建設工業新聞様より引用)