始動外環道都内区間・上/国内最大シールド機が発進/大深度・長距離に万全の対策

 深さ40メートルを超す大深度地下に、国内最大規模(外径約16メートル)のシールドマシンを用いて本線トンネルを構築する東京外かく環状道路(外環道)の都内区間で、掘進作業が始まった。先行する東名ジャンクション(JCT、仮称)側の立坑でマシンの組み立てが完了し、19日に現地で発進式が開かれた。首都圏3環状道路の中でも特に注目度の高い外環道都内区間。多くの曲折を経て本線工事がいよいよ本格化する。



 (編集部・遠藤奨吾、牧野洋久)



 外環道は1963年に首都圏の道路交通の骨格として計画された3環状9放射のネットワークの一つ。都心から約15キロ圏域を環状に連絡する全長85キロの道路で、現在は都内区間のほか、埼玉県三郷市~千葉県市川市間で建設事業が進む。



 都内区間は東名高速道路と接続する東名JCT(世田谷区)から、中央道を経て、関越道と接続する大泉JCT(練馬区)までを結ぶ延長16・2キロ。共同事業者の国土交通省関東地方整備局と東日本、中日本の両高速道路会社が整備する。総事業費に約1・6兆円を見込む。



 本線トンネルは東名JCTから北へ向かう「北行トンネル」、大泉JCTから南へ向かう「南行トンネル」の2本(片側3車線)を大深度地下に建設する。両端のJCTに設けた発進立坑から4基のシールドマシン(泥土圧式)で掘り進め、井の頭通り付近で地中接合する計画だ。東名JCT側から発進するシールドマシンの1基当たりの掘進距離は過去最長の約9・1キロに及ぶ。



 東名側では、南行トンネルを施工する鹿島・前田建設・三井住友建設・鉄建建設・西武建設JVのシールドマシンが先行して発進。10カ月程度かけて後続設備を組み立てながら行う初期掘進(約200メートル)を経て、本掘進に入る。掘進完了は2年半後を見込む。鹿島JVの工区の約1カ月後に、大林組・西松建設・戸田建設・佐藤工業・錢高組JVが、並行して構築する北行トンネルの掘進作業を始める。



 今回使用するシールドマシン4基は基本スペックがほぼ同じで、「月進500メートルの性能を持たせている」(工事担当者)という。安全対策として、掘削土砂の取り込み過ぎによる掘削面の崩壊事故を防ぐため、ベルトコンベヤーで運ぶ土砂の重さを管理するベルトスケール、ベルト上の土砂の体積を管理するレーザースキャナーなどを搭載している。



 長距離掘進のため、鹿島JVのマシンはカッタービットを内部から交換できる機構を採用。大林組JVのマシンでは外周部と中心部の回転速度が異なる2重カッター方式により、掘削面全体の掘削量を適切に制御する。



 東日本、中日本両高速道路会社の工事担当者は「土砂の取り込み量の管理など、モニタリングを適切に行いながら、安全・確実に工事を進める」と口をそろえる。関東整備局の関係者は「現場周辺には住宅街が広がっているため、騒音や粉じんなど環境対策に万全を期して円滑に事業を進めていきたい」と表情を引き締める。

(様より引用)