安藤ハザマら/山岳トンネル向け吹き付けコンクリ施工システム開発/施工時間を半減

 安藤ハザマは17日、デンカと山岳トンネル施工機械レンタルのニシオティーアンドエム(大阪府高槻市、西尾英一社長)と共同で、山岳トンネル工事向けに吹き付けコンクリートの新しい施工システムを開発したと発表した。大容量のコンクリート圧送時にも脈動の少ないシリンダー摺動(しょうどう)型ポンプを改良して吹き付け機に搭載するとともに、コンクリートの性能も高めた。壁面に付着せずに落下するコンクリート(リバウンド)が減り、施工時間を半分に短縮できるという。
 山岳トンネル工事の吹き付けコンクリートの施工時間は、掘削・支保工の施工サイクルの15%程度と大きな比率を占める。施工効率を高めるため、時間当たりの吐き出し量を増やす対策が講じられてきたが、吹き付けコンクリートは圧縮空気の力でコンクリートを吹き飛ばして壁面に付着させる仕組みのため、吐き出し量を増やし過ぎると、リバウンドが増加する点が課題とされる。
 開発したシステムは、吐き出し量の大容量化とリバウンド率の低減を両立させた。吹き付け時の脈動を防止するため、油圧2ピストン式シリンダー摺動型ポンプを吹き付け機に搭載。添加ノズルを大容量に適した形状に改良した。
 壁面付着の要となる急結剤のコンクリートへの混合性を高めるため、急結剤を従来の粉体から液体タイプに変更。単位粉体量の増量と高性能減水剤の採用により、流動性の高い圧送が可能なベースコンクリートも新たに開発した。
 山岳トンネル2現場で試験施工を実施した。実吐き出し量は最大で1時間当たり28・7立方メートルを記録。リバウンド率は従来の20~30%程度から5~10%に減らすことができ、確実なコンクリートの付着を確認した。坑内の作業環境に直結する粉じんの発生も、吐き出し量の大幅アップにもかかわらず、従来の吹き付けコンクリートと同等以下に抑えることができたという。
 試験施工の結果を受け、このシステムを国土交通省中国地方整備局発注の「鳥取自動車道智頭用瀬トンネル南工事」に適用し、本格運用を開始した。全国のトンネル現場に展開し、掘削サイクルを改善してトンネル工事の生産性を向上させていく。

(日刊建設工業新聞様より引用)