安藤ハザマ/堤体盛り土締固管理に新手法導入/土の飽和度に着目、被災ダム復旧に採用

 安藤ハザマは、東日本大震災で崩壊した福島県須賀川市の「藤沼ダム」の復旧工事で、新しい堤体盛り土の締め固めの品質管理に新手法を導入した。龍岡文夫東大名誉教授(東京理科大嘱託教授)が提唱する土の最適飽和度を基準に目標品質に応じて飽和度の管理範囲を設定する方法(飽和度管理)を採用し、適切な盛り土の施工管理を実現した。
 同工事は、安藤ハザマ・三栄建設JVが福島県から受注した「施設災害復旧(23年災)2501工事藤沼湖地区」(工期13年10月15日~17年3月22日)。1949年に竣工した既存ダムを撤去し、同じ場所に中心遮水型アースフィルダムを建設する。堤高は本堤が31・4メートル、副堤が18・0メートルの規模となる。
 盛り土の締め固め施工の品質管理は、土の密度を指標とした密度管理が主流とされ、締め固めエネルギーと土質の状態が重要な要素となる。ただ、室内試験で実際の施工条件と完全にこの2要素を一致させることは難しい。試験結果に基づく合理的な施工管理が実際の施工現場で適切に実現できず、期待した成果を得られない場合もあるという。
 そこで、締め固めエネルギーと土質の状態の影響を受けにくい最適飽和度を指標とした飽和度管理を採用し、密度管理と併せて藤沼ダムの二つの堤体盛り土の施工に適用した。
 室内試験と試験施工の結果に基づき、含水比などに厳しい管理基準を設定。本施工では含水比などを調整管理した土を使用し、GPS(全地球測位システム)を搭載した振動ローラーで転圧回数を厳密に管理することで適切な飽和度管理を実現した。
 盛り土材の含水比管理と締め固めた盛り土の密度管理だけでは完全には防ぐことが難しかったオーバーコンパクション(過転圧)による土の強度低下や比較的乾燥した土の浸水による強度低下、コラプス沈下も回避できたという。
 現場では、16年12月に堤体の盛り土が完了。3月の竣工と4月末のかんがい用水の供給再開を目指し、1月に試験たん水を開始。現在は付帯施設などの施工が進められている。
 フィルダムの実施工に適用した実績を踏まえ、今後は、飽和度管理を一般的な盛り土施工にも積極的に展開していく。

(日刊建設工業新聞様より引用)