宮城県/上工下水道一体管理・運営コンセッション/18年度に事業者公募へ

 上水道と工業用水道、下水道の管理・運営にコンセッション方式の導入を検討している宮城県は、18年度に事業者公募を始め、20年度中に事業開始を目指す方針を示した。29日に開催した「上工下水一体官民連携運営検討会」=写真=で事業スケジュールを明らかにしたもので、18年度前半に実施方針を公表後、提案書を受け付け、19年度に優先交渉権者を決める。検討会では対象事業や業務範囲、事業期間も示した。流域下水道は7事業のうち4事業が対象。事業期間は20年間を基本とした。9月中に詳細な事業概要書を公表し、広く意見を募集する。
 県では、事業の大枠を整理するため、PFI事業の実績があるデベロッパーやゼネコン、金融機関、投資会社など37社にマーケットサウンディング(市場調査)を実施した。
 流域下水道事業は統合による一体管理のメリットから、7事業すべてを対象とすることに前向きな意見が出た一方、地方部を含めると距離感から効率性が低下するとの意見が多かった。このため、広域水道の給水区域と重なる仙塩(処理能力日量22万2000立方メートル)、阿武隈川下流(同12万5000立方メートル)、吉田川(同4万1825立方メートル)、鳴瀬川(同8800立方メートル)の4事業を対象に検討を進める。
 下水道事業の改築・更新については、上水道、工業用水道と同様に業務範囲に含めるべきとの意見が多かったが、財源の確保などいくつかの課題がある。当面は機械・電気設備の維持更新までとし、準備が整った段階で業務に含めることを想定して今後のスキームを検討する。
 事業期間は設備投資の回収期間などを考慮し、「20年」にすべきと回答する企業が多く、20年間を基本とした。
 水道用水供給は大崎(浄水能力日量10万1850立方メートル)と仙南・仙塩(同27万9000立方メートル)の2事業、工業用水道は仙塩(同10万立方メートル)、仙台圏(同10万立方メートル)、仙台北部(同5万3500立方メートル)の3事業が対象。
 事業者は浄水場と、取水施設やポンプなど関連設備の維持修繕と改築更新を担う。管路部分は引き続き県が管理する方針だ。
 検討会では、流域下水道事業に対する意見が多く出された。
 民間事業者からは「改築・更新を含めると自由度が高まり、創意工夫ができる」「サービスに差が出るため、7事業すべてを対象にすべきだ」「想定外の事態が起きた時のリスク分担はどうなるのか」などの意見や指摘があった。
 一方、自治体からは「極めて公共性の高い事業だけに、長期にわたって民間に委ねることに不安を感じている」「県のノウハウが低下してしまうのではないか」など不安や心配の声も上がった。

(日刊建設工業新聞様より引用)