廃炉への道程-福島第1原発の6年・3/ゼネコン各社が総力結集

 ◇技術開発・改良で難題を克服

 東京電力福島第1原発の廃炉作業で一翼を担うゼネコン各社。事故の直後から各社は持ち前の総合力を発揮。人員の配置や資機材の調達に動き、がれき撤去など初動対応の段階から東電をバックアップしてきた。

 これまでの施工や災害復旧などで培った技術・ノウハウに加え、新たに開発・改良した技術も投入。汚染水対策や原子炉建屋の安定化など前例のない難題に取り組んでいる。

 多くの建設関連企業が現地に入る中、原子炉建屋関連では1号機は清水建設、2・3号機は鹿島、4号機は竹中工務店が主体となって事故の収束や廃炉への対策に当たってきた。

 「厳しい作業環境下で多くの重機を遠隔コントロールするのは、長年さまざまな現場を経験してきた建設会社だからできる。遮水壁など汚染水対策もトンネル工事などで地下水の影響を抑えるために積み重ねた知見があったからこそこれだけ広範囲の規模で実現できた」。東電の関係者は、建設会社の技術力に支えられて事故収束の取り組みが前進してきたと強調する。

 震災が起きた時、福島第1原発で5、6号機の耐震補強関連工事を行っていた鹿島。直後に東電の要請を受けて熊谷組と協力し、搬入路のがれき撤去や排水作業などに当たった。

 中村満義社長(当時)は、「福島第1は全6機の建設に携わった『鹿島原子力の原点』。福島の安定化なくして原子力の信頼回復はあり得ない。福島第1の廃炉をやり遂げることが鹿島の責務だ」とのメッセージを社内に発信し続けた。

 高い放射線量下での作業に欠かせないのが、無人化施工の技術だ。水素爆発で建屋上部が崩壊した3号機では、複雑に重なり合ったがれきを撤去するため、長崎県の雲仙普賢岳復旧工事に使った無人化技術を応用。タワークレーン2基と重機8台を同時に遠隔操作した。

 これからの使用済み燃料の取り出し作業を前に、鹿島の関係者は「通信分野などの技術革新は日進月歩。6年前の無人化施工の改良を検討している」と話す。

 汚染水対策でもさまざまな技術が導入された。鹿島や東電などが開発した長距離水中流動充てん材「ヒーロー」。海水配管トレンチ内に滞留していた高濃度汚染水をヒーローに置き換え、2万トン以上の汚染水を処理。放射性物質の拡散リスクの低減に貢献した。開発期間はわずか1年。鹿島の関係者は「技術開発は試行錯誤で失敗するのが普通だが、今回は失敗が許されなかった」と振り返る。

 1~4号機の建屋群を囲む陸側遮水壁(凍土壁)のうち、海側は凍結を完了、陸側も凍結範囲を順次拡大している。「鹿島もプレッシャーがある中でよくここまで仕上げてくれた」と東電関係者。今後は間欠運転に切り替え、適正に管理していく。

 発生し続ける汚染水を安定的に貯蔵するためのタンクの増設にも建設各社が関わる。事故直後から復旧事業に携わる安藤ハザマもタンクのリプレース(解体・建設)作業に当たっている。同社幹部は「これから仕事はさらに増えてくる。われわれも適切に対応していけるよう、準備や体制を整えていく」と力を込める。

(様より引用)