建研/津波火災予測システム開発へ/ハザードマップ作成可能に

 建築研究所(建研)は、津波避難計画を支援するため、津波によって発生する火災を予測するシミュレーションモデルを開発する。建物や地形などの地域情報データを入力すると、可燃物の流出・流動・集積、津波火災の出火・延焼を予測する仕組み。解析結果から被害を受けやすい所・受けにくい所が分かる津波火災ハザードマップを作成できる。津波避難ビルの指定見直しなど津波避難計画の改善に役立ててもらう。
 東日本大震災では火災で67ヘクタールが焼失した。津波により流出した家屋やLPガスボンベ、自動車などが堆積して火災が大規模化。津波避難施設に延焼する事例も複数発生した。
 建研は津波火災の全体像を予測する手法がなく、発生が予想されている南海トラフ地震などの津波避難計画には津波火災への備えが不十分だと見て、津波火災シミュレーションモデルの開発を始めた。
 津波火災シミュレーションモデルは、▽可燃物の流出▽可燃物の流動・集積▽津波火災の出火▽津波火災の延焼-の4モデルで構成する。建物データ(位置・形状・構造)や地形データ(標高)、気象データ(風速・風向)などの地域情報データをモデルに入力すると、4モデルを順次解析していく仕組みだ。
 現在、可燃物の流出モデルと可燃物の流動・集積モデルの開発を済ませた。津波の規模などが分かれば、可燃物がどこにどの程度たまるかを評価できるようになった。これにより解析した可燃物の集積密度から、津波火災による被害の受けやすさを表す指標とした津波火災ハザードマップを作成。津波避難ビルを被害の受けにくい所に配置したり、受けやすい所では建物の防火性能を高めたりできるようになる。
 建研は今後、津波火災の出火と延焼を予測するモデルの開発を進めるとともに、地域防災計画の実務での活用を促す取り組みも模索していく考えだ。

(日刊建設工業新聞様より引用)