建設コンサルー岐路に立つ人材戦略/17年春新卒採用、14社中10社が減/本社調査

 好調な受注を背景に、ここ数年増加傾向にあった建設コンサルタント各社の人材採用にブレーキがかかり始めた。日刊建設工業新聞社が実施した「採用・人材戦略に関するアンケート」によると、主要14社のうち、10社が17年4月の新卒採用人数を前年より減らした。18年4月は未回答の1社を除く13社中8社が今春より採用人数を増やす計画だが、8社のうち5社は微増の見通しで、本業の設計関連業務の発注量の落ち込みなど、国内市場の先行き不透明感が人材採用にも影響を及ぼしつつある。
 今春(17年4月)入社の新卒者は14社合計で562人で、うち技術系は513人と、いずれも前年を大きく下回る。新卒採用数が最も多いのは日本工営で前年より18人増やした。オリエンタルコンサルタンツ、パスコ、アジア航測の3社も増やしたが、他の10社(オリエンタルコンサルタンツ、パスコ、アジア航測の3社を除く)は減らした。
 オリエンタルコンサルタンツとパスコは新事業拡大のための採用増。技術系を前年より増やしたのは6社、減らしたのは8社。増やした6社のうち、前年より1~5人以内の微増が3社を占める。
 来春入社(18年3月)の新卒採用計画(未回答の1社を除く)は、今春に比べ8社が増加、4社が減少、1社が横ばい。増加の8社のうち、今春より1~5人以内の微増が5社とほぼ今春並みの見通し。技術系(未回答の4社を除く)は、5社が今春より増加、2社が減少、3社が横ばいの見込みだ。増加と答えた5社のうち、「16年4月入社が計画目標を超えたため、17年4月入社の人数を減員」としたエイト日本技術開発は今春より10人程度上積みするが、3社は今春より1~5人以内の増加にとどまる予定で、来春も低調で推移しそうだ。
 建設の川上段階を担う建設コンサル業界では、工事の発注が活況を呈するゼネコン分野と異なり、先行して需要が減少局面に入っている。将来の国内市場の縮小に備え、各社が本業の設計関連業務に代わる新市場(まちづくり・エネルギー分野を含む地方創生、PPP・PFIなど行政支援、海外など)の開拓を重視する施策を展開しているが、取り組みは緒に就いたばかりで、軌道に乗っているものは少ない。
 受注の大半を本業の設計関連業務に頼っているのが現状で、採用する技術系人材も本業面の人材に偏るため、将来を考慮し、大幅な積み上げが難しくなっている。「今春から新卒採用者の目標人数を下げた」という大手コンサルも出てきた。
 受注に占める新事業の割合を高めるまでは、本業面の優秀な人材の獲得競争が厳しくなりそうで、「1DAYインターンシップの種類の増加」(国際航業)、「大学推薦制度の拡充による採用者数の確保」(建設技術研究所)、「若手社員からのリクルーター選抜」(応用地質)、「リクルーター研修の開催」(長大)、「職員各世代のメッセージ増など学生向けホームページのリニューアル」(大日本コンサルタント)など独自の人材確保策を講じる企業もある。
 16年度の中途採用数は、14社合計で486人と前年に比べ30人程度を下回る。うち技術系は293人と300人を割り込んでいるが、日水コンやオオバなど3社が「即戦力の採用」、建設技術研究所が「生産体制の増強、技術力の向上」、エイト日本技術開発やオリエンタルコンサルタンツが「既存事業の強化・拡充」などを挙げ、本業強化の人材確保を鮮明にしている。

(日刊建設工業新聞様より引用)