建設業界/諮問会議「補正予算は必要最低限に」に異論/公共投資の安定・継続不可欠

 強靱(きょうじん)な国土づくりは必要最低限でいいのか-。26日の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)で民間議員から「補正予算の編成は必要最低限にとどめよ」との意見が出たことに対し、建設業界から疑問の声が相次いでいる。17年度補正予算案の検討が始まろうとする中、衆院選で圧勝した与党議員は「建設分野から頂いた『補正予算は必要』という訴えを大きなうねりにしたい」としている。
 近年、各地で地震や豪雨などの自然災害が頻発。災害リスク低減や国土強靱化に寄与する社会資本整備の重要性が改めて認識されている。こうした中での民間議員の意見に、建設業団体のある幹部は「安全・安心の確保は急務であり、必要十分な対策を講じなければいけない」と訴える。
 国の16年度予算で公共事業関係費は当初予算と補正予算を合わせて7・6兆円。17年度は当初予算が6兆円だったことから、「1・6兆円の補正予算が最低限必要だ」との意見が根強い。
 民間議員は「必要な予算は、物価・賃金動向を踏まえつつ、めりはりを付けて当初予算に計上すべきだ」とも指摘するが、強靱な国土づくりや地域経済の活性化につながる公共投資には、安定的・持続的な実施が求められる。地方の建設会社の経営者からは「安定した経営を続けるには当初予算を大幅に積み増してほしい」との声もある。
 同日の諮問会議で安倍首相は「生産性革命をしっかり進める中で、3%の賃上げが実現するよう期待したい」と表明した。ある民間議員は「建設業の中小企業を中心に労働分配率が低下する中で現預金が増加しており、生産性向上と賃金上昇の好循環の構築が重要」との考えを示した。
 中小建設業の経営者は「長期スパンで経営を考えると、手元の利益を社員に即分配していては、不況や赤字になった時に賃金カットすることになりかねない」と苦しい事情を明かす。生産性向上と賃金上昇の好循環を構築するには、安定的・持続的な建設投資が不可欠になりそうだ。

(日刊建設工業新聞様より引用)