復興加速化会議/国交省・東北整備局、担い手確保と両立へ4施策/復興係数継続も表明

 ◇働き方改革プロジェクト立ち上げ
 国土交通省と東北地方整備局は17日、「第7回復興加速化会議」を仙台市内で開き、ICT(情報通信技術)の導入拡大や入札手続きの簡素化など4施策をセットで進め、担い手確保と復興加速を両立させる「東北復興働き方改革プロジェクト」を立ち上げた。同局は入札参加者に求める技術資料を簡略化する「簡易確認方式」を本年度内に導入。「ワークライフバランス(WLB)認定」を取得した企業に工事を優先発注する枠組みも新設する。会合では、共通仮設費など間接費の一部を割り増しする現行の「復興係数」を継続する方針なども明示された。=1面参照
 会合では石井啓一国土交通相が、間接費の一部を1・2倍~1・5倍程度増額する現行の「復興係数」を17年度以降も被災3県で継続する方針を表明した。国交省の担当者は、被災3県の公共工事前払金の割合を4割から5割に引き上げる現行の特例措置についても、継続を前向きに検討する考えを示した。
 国交省が今回立ち上げた「東北復興働き方改革プロジェクト」は、▽ICT活用工事の拡大▽入札前提出書類の削減▽WLB改善(女性、若手技術者登用促進)▽技術者・技能者の研修機会拡充-の4本柱で構成。
 施策の一つ一つは関東や近畿など他の地方整備局で実施済みだが、東北整備局は四つの施策を組み合わせることで、生産性向上や労働力確保への相乗効果を最大化させたい考えだ。
 このうちICT活用の方針について、川瀧弘之東北整備局長は、本年度38件の土工に適用したICT活用工事の件数を、来年度に倍増させる目標を示した。
 本省の担当者は来年度以降、大規模土工だけでなくトンネル工事などにもICT活用工事の適用対象を広げることを検討しているとした。
 同局は胆沢ダム(岩手県奥州市)の管理にCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)を活用し、点検作業を効率化するアイデアも公表した。
 提出書類の削減について同局は、入札前に提出を求めていた50枚程度の技術資料を1枚紙の簡素な用紙に変更し、受発注者の負担軽減につなげる「簡易確認方式」を本年度内に試行する方針を明らかにした。
 積算項目が特に多い排水工の積算方法を簡略化する「簡易積算方式」も併せて実施する。
 17年1月以降、両方式の初弾工事の入札手続きを公告する。いずれも当面50件程度の工事に適用し、導入効果を分析する。
 企業らのWLBを改善する取り組みの促進では、若手・女性技術者の採用や社員の子育て支援に熱心な企業に工事を優先発注する「WLB段階選抜方式」を試行する。
 東北の直轄工事で「WLB認定」取得の有無を総合評価方式の評価項目に加え、企業の人材育成や福利厚生拡充への意欲を刺激する。
 会合では、東北被災地の復興道路整備に採用され、事業を効率化する上で威力を発揮した事業促進PPP(官民連携)を、被災地以外の河川・道路事業、まちづくりなどに広げる検討を進める方針も示された。
 国交省は事業促進PPPの効果や課題を検証し、東北だけでなく全国のインフラ整備に展開できないかを検討することにしている。

(日刊建設工業新聞様より引用)