復興庁/側溝堆積汚染土撤去を全額国費補助/事業費は数百億円規模に

 復興庁は、福島第1原発事故後に放射性物質を含んだ汚染土が福島県内の道路の側溝に堆積している問題で、県や市町村が行う撤去を全額国費で支援することを決めた。対象は法律に基づく市町村主体の除染対象基準よりも空間線量が低い区域の側溝に堆積した汚染土。現時点で堆積総量は推計していないが、総事業費は最低でも数百億円規模に上るとみる。今回の支援は16年度にも始め、18年度ごろまでの時限措置として進める。
 今村雅弘復興相が9月30日の閣議後の記者会見で表明した。
 側溝に堆積した汚染土撤去費への財政支援は、放射性物質汚染対処特別措置法に基づく市町村主体の除染と同様に、同庁の福島再生加速化交付金と総務省の震災復興特別交付税交付金で事業費の全額を補助する。
 放射性物質汚染対処特別措置法では、原発周辺を国が直轄で除染を担当する「除染特別地域」に指定し、その外周を市町村が除染を担当する「除染実施区域」に指定している。今回の財政支援は、市町村主体の除染実施区域内で空間線量が毎時0・23マイクロシーベルトを下回る区域にある側溝に堆積した汚染土の撤去を対象にする。
 復興庁は財政支援の条件に、汚染土に含まれる放射性物質濃度が1キロ当たり8000ベクレルを上回れば特定廃棄物埋め立て処分施設や除染廃棄物用の中間貯蔵施設に搬入してもらい、下回った場合は一般の処分場で処理してもらうことを定める。できる限り公共事業に転用してもらう努力も課す。
 汚染土の撤去で施工手順など技術面に不安がある自治体には、環境省を通じ知見を提供する。
 一方、同区域で毎時0・23マイクロシーベルトを上回るエリアや国の除染特別地域にある道路側溝の堆積汚染土は、既に国や市町村の除染事業としてほぼ撤去が済んでいる。
 復興庁によると、原発事故後に健康上の不安や産業廃棄物処理業者が汚染土を引き取らないといった理由から、住民が側溝の清掃活動を自粛。そのため、除染対象外となった場所では側溝に汚染土が堆積し、降雨時に氾濫したり悪臭や害虫が発生したりする問題が生じていた。

(日刊建設工業新聞様より引用)