新入札方式ー自治体の取り組み二極化/災害対応や若手活用は前向き導入/建設経済研

 建設経済研究所(竹歳誠理事長)は25日、自治体の多様な入札契約方式に関するアンケートの結果を発表した。改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)に定められた多様な入札契約方式の導入状況を聞く調査は、14年以来2年半ぶり。新たな方式の導入は一定程度進んだが、消極的な自治体も多く、二極化していることが確認できたとしている。
 調査は6~7月に都道府県、政令市、中核市など全国125自治体を対象に実施。94・4%の118自治体から回答を得て集計・分析した。
 調査全体を通して、段階的選抜方式や技術提案・交渉方式は、自治体の規模によってそもそも対象工事がないことや、運用手続き面で負担が多くなることなどがネックとなり、導入が進んでいない。災害対応への評価や若手技術者の活用を促進する方式は、導入または導入に肯定的な意見を持つ自治体が大多数で、災害への備えや若手技術者の育成に対する自治体の関心の高さをうかがわせた。
 このうち、段階的選抜方式は、前回調査、今回調査とも導入または導入予定はゼロ。「導入しない」と回答した自治体の割合は、前回の88%から92%に増えた。技術提案・交渉方式の導入は、前回の1団体から今回7団体まで拡大したものの、「導入しない」とした割合は同様に78%から84%に増えた。
 改正公共工事品確法で地域維持型契約方式と位置付けられた複数年度契約方式、複数工種一括発注方式、共同企業体による共同受注方式も「導入しない」とする自治体の割合が増加しており、その理由として受注の機会が減少することが挙げられている。同研究所は、地域に精通した地域の建設企業を存続させるためのこれら方式の導入は、地域防災を担う自治体にとっても重要だとして、改めて改正法の趣旨について認識を深めていくことが必要だと指摘している。
 一方、総合評価方式の加点要素などにして若手技術者の活用を促進する方式の導入割合は、前回の27%から今回58%に倍増。ただ、「導入しない」と回答した自治体も前回より増えており、建設業従事者の高齢化が進む中、「若手以外への不公平となってしまう」ことなどが理由に挙げられた。こうした結果を踏まえ、同研究所は「将来の公共工事の担い手を確保し、育てていく必要があるという意識を発注者側にも一層普及させていくことが求められる」としている。
 企業の災害対応体制を評価する方式は、89%と多くの自治体が導入。災害時の活動実績や災害協定の締結を評価している自治体が目立った。負担増加への懸念から導入しない自治体も一部にあるが、東日本大震災(11年)や熊本地震(16年)をはじめ、各地で豪雨災害も相次ぐ中、災害対応体制の確保が重要だと認識していることが改めて浮き彫りになった。
 今回の調査では、社会保険未加入業者対策や週休2日制の確保に向けた取り組みがある程度行われていることも確認。将来の担い手を確保していくためにも、働き方改革を踏まえた労働環境の改善を図る一層の取り組みが、発注者である自治体にも求められるとした。

(日刊建設工業新聞様より引用)