日建連/建築設計委、環境配慮設計の推進状況で報告書/CASBEEのB+が9割超

 ◇省エネ率、CO2削減率1ポイント上昇
 日本建設業連合会(日建連)は、建築の環境配慮設計に関する15年度の会員企業の取り組みをまとめた。建築環境総合性能評価システム(CASBEE)について、社内基準や数値目標を設定する企業が増加。評価のAランクを得た建物が全体のほぼ半数を占めた。設計施工した建物の省エネ率、二酸化炭素(CO2)削減率はともに28%(前年27%)に上昇していた。
 建築設計委員会の29社が15年度に届け出た延べ2000平方メートル以上の設計案件の省エネルギー計画書、CASBEEの対応状況・評価について調査を行い、「環境配慮設計(建築)の推進状況」として報告書にまとめた。対象の建物は省エネ計画書が480件、CASBEE評価が380件。過去12年の調査件数はそれぞれ6000件以上、5000件以上となっている。
 報告書によると、CASBEEによる建物の環境性能について、社内基準、評価の数値目標を設ける会社がともに前年に比べて2社増加し、それぞれ21社になった。目標を定めていない8社のうち4社は、評価結果を受けて目標性能や設計内容を見直しているという。
 CASBEEで評価した建物の94%は標準的なビルを上回る「B+」以上のランクだった。最多はAで約50%あり、最高のSは6%でAとSの比率は13年度からほぼ同じ傾向が続いている。用途別に見ると、学校はA以上が前年度とほぼ同じ79%となった。Sは学校や事務所で取得が目立つ一方、飲食店、ホテル、集合住宅は引き続き少なかった。
 13年の省エネ基準導入に伴う経過措置期間が終了し、今回の15年度の調査から新しい指標による回答が出てきた。外皮性能「BPI」の平均値は非住宅全体で0・75、エネルギー消費性能「BEI」の平均値は非住宅全体が0・72、集合住宅は0・89となった。新しい年間熱負荷係数「パルスター」の非住宅全体の平均値(MJ/年・平方メートル)は427だった。
 BEIから設備ごとのエネルギー消費を見ると、削減率はLEDの普及に伴い照明が高かったが、給湯は基準の改正で効率の悪い小規模設備が対象となったことで低くなった。BPIとBEIは、簡易な評価方法の拡大が見込まれており、標準入力との比較をはじめ追跡調査の実施を視野に入れている。
 建物の省エネ率とCO2削減率は、評価方法の改定に伴い今回から前年度との比較が行えるようになっており、ともに改善していることが確認できた。省エネ設計によって達成できる日建連建築関連55社の運用時CO2排出削減量は22%増の年間17万トンと推計しており、「環境自主行動計画」に記載して経団連に提出する。
 17年度からは建築確認申請時の省エネ適合性判定と完了検査時の適合性確認が求められるため、手続きについての調査を行うことにしている。

(日刊建設工業新聞様より引用)