日建連/時間外労働に自主規制導入/9月から試行、法規制への対応前倒し

 日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)は、26日に開いた理事会で、時間外労働に自主規制を導入することを決めた。会員企業が施工する新国立競技場建設工事で協力会社の社員が過労自殺したとされる問題を受けた措置。「日建連基準」として、時間外労働の上限などを数値として定め、段階的に長時間労働を縮減。9月から試行する。法改正と猶予期間を経て適用される罰則付きの時間外労働規制への対応を前倒しする。
 「時間外労働の適正化に向けた自主規制」として運用する考えだ。専門工事業界や労働組合の意見を聞きながら、労働委員会が具体的な内容を検討。上限とする時間や削減割合など数値の提示を前提に議論し、段階的な対応の考え方を整理する。
 自主規制の運用に合わせ、会員企業には適正な価格・工期・契約条件での受注の徹底と、時間外労働規制の導入に対応する体制の構築をあらためて求め、発注者の理解を得る活動も行う。地域の建設会社や専門工事業者に、取り組みの参考とするよう呼び掛けることも想定している。
 建設業は、政府が3月に閣議決定した「働き方改革実行計画」で、罰則付きの時間外労働規制が適用されることが決定している。関係法令の改正・施行から5年の猶予期間を置いた上で、▽原則月45時間かつ年360時間▽特別条項で年720時間-などの上限が設けられる。
 5年の猶予期間は、これまで建設業が時間外労働の限度基準告示の適用除外業種だったため、環境整備の期間として設定されたが、日建連は今回、過労自殺とされる問題が発生したことを踏まえ、長時間労働の是正を早急に進める必要があると判断した。
 同日の理事会では、自主規制の導入に加え、長時間労働につながる商慣行を是正するため、経団連が計画中の共同宣言に賛同することも了承した。9月に働き方改革に関する日建連の取り組みをまとめる「働き方改革推進の基本方針」を策定することも決めた。
 理事会後に記者会見した山内会長は、「長時間労働の是正に業界を挙げて取り組み始めた中で起きた事態を深刻に受け止め、自主規制を実施することを決議した」と規制導入の理由を述べた。その上で「二度と起きることがないよう、専門工事業界や労働組合の意見も伺い、就労環境の改善に一層取り組む」と決意を示した。

(日刊建設工業新聞様より引用)