明治神宮薪能開く/安藤ハザマが奉納協賛/2000人が幽玄の世界堪能

 安藤ハザマが奉納協賛する第36回「明治神宮薪能」が9日、東京都渋谷区の明治神宮で行われた。拝殿前の特設舞台で、素謡「翁」、狂言「末廣かり」、能「養老 水波之伝」を上演。かがり火のたかれた荘厳な雰囲気の中、約2000人の観客が名人の芸に酔いしれた。
 増田正造武蔵野大名誉教授が演目を解説した後、東京国立博物館の佐藤禎一名誉館長と安藤ハザマの小野俊雄代表取締役会長が薪に火を入れ、舞台が始まった。
 翁は、能の根源として神聖に扱われる平和と繁栄の祈りの曲。梅若玄祥が抑揚の付いた歌声を会場に響かせた。
 野村万作がシテを務めた末廣かりは、進物用の「末廣がり」を扇のことと知らず、都の男に古傘を売り付けられた太郎冠者が主人の機嫌を直そうとする話。太郎冠者がリズミカルな囃子(はやし)物を繰り返すと、主人もつられて浮かれ出す二人の掛け合いが観客の笑いを誘った。
 梅若紀彰がシテを演じた養老は、世阿弥が書いた草書風の脇能で、養老の滝の孝子伝説を舞台化した。華やかな天女の舞に、豪快な山神の舞が続くなど、緩急の変化が大きい場面展開が観客を引き付けた。

(日刊建設工業新聞様より引用)