東亜グラウト工業/下水熱利用を積極展開/車道融雪への活用検討

 東亜グラウト工業が、管路内設置型熱回収技術「ヒートライナー工法」を活用し、下水熱の活用分野の多様化に取り組んでいる。下水道の革新的技術を実際の施設などで実証する国土交通省の「下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)」で16年度の研究対象に選ばれ、車道融雪への下水熱利用の有効性を実証した。今後は下水熱とヒートポンプの複合による経済的・効率的なシステムの開発を進め、実現場への適用を図る。
 同社は2012年に下水熱利用技術の開発に着手し、これまで空調や融雪、給湯へ導入を図ってきた。16年には下水処理場から発生する冷熱や二酸化炭素(CO2)を活用した作物栽培技術や、熱増幅装置となるヒートポンプを用いない下水熱利用技術を開発した。
 下水熱利用の核となるヒートライナー工法は、老朽化した既設管内部に更生材を引き込み、空気圧で拡径させてから光照射機械で材料を硬化させることで内面に新しい層を形成。管の底に熱回収を行う熱交換マットを敷設し、その上から再度光照射機械で材料を硬化させて保護ライナーを形成する。
 今回のB-DASHプロジェクトでは、15年に同社らが新潟県十日町市の市立西保育園の駐車場13・5平方メートルに設けた融雪システムを使い、運用データ(日平均の熱効率、下水温など)を収集・解析。下水管の流下断面に対する流下性能や採熱性能、車両交通への耐久性、融雪効果、コストなどを検証した。
 同社は「今回の実証でこれまで国内では例がない車道融雪への下水熱利用にめどが立った」(管路メンテグループ技術開発室)としている。今後は、実際の車道融雪への導入を目指し、気象条件などに合わせた最適なヒートポンプとの複合技術などの開発を進める考えだ。

(日刊建設工業新聞様より引用)