東京23区/17年度予算案出そろう/投資的経費3・3%減、児童相談所設置需要も

 ◇五輪会場周辺整備に本腰
 東京23区の17年度当初予算案が22日、出そろった。一般会計の総額は前年度比2・1%増の3兆6616億56百万円。投資的経費の総額は3・3%減の4752億93百万円で、10区で増額となった。老朽化した公共施設の更新に予算を重点配分する傾向が続いているが、都心部への人口回帰で学校を新設する必要に迫られたり、法改正で特別区でも児童相談所を開設できるようになったりしたことで新たな施設整備需要も生まれている。2020年東京五輪の際の来訪者対応を念頭に五輪会場周辺の環境整備に本腰を入れる区も目立つ。
 投資的経費の伸び率が最も大きいのは、56・4%増の文京区。市街地再開発事業に補助金を交付するほか、スポーツセンターの改修工事などで施設整備費が膨らむことが要因だ。同区に加え、渋谷(46・8%増)、台東(31・4%増)、江東(21・5%増)、中野(20・5%増)、江戸川(15・9%増)、港(14・9%増)、葛飾(14・6%増)、板橋(12・6%増)の計9区が10%以上の伸び率となった。
 中央区と北区は、老朽化している庁舎の建て替えに向けて調査・検討を行う費用を新規計上した。中央区は、庁内組織も立ち上げ、建て替え候補地の選定や事業スキームの検討を進める。北区は、移転用地の取得に見通しが付いたことから、新庁舎の基本計画の策定作業に着手する。
 いずれの区でも学校改築が施設整備事業の中で大きなウエートを占めているが、高層マンションの開発が増えている都心・臨海部を含む区では学校新設の需要も高まっている。中央区は東京五輪の選手村が建設される晴海地区に小・中学校、港区は芝浦地区のJR田町駅近くに小学校をそれぞれ新設する計画で、両区とも17年度に設計に着手する。
 昨年5月の改正児童福祉法の成立で、都からの移管を受けて設置が可能になった児童相談所の整備を急ぐ区も目立ってきた。江戸川区と荒川区は、新たな施設の設計に着手する予定。設計委託費などとして江戸川区は98百万円、荒川区は29百万を計上した。
 港区は、児童相談所に子ども関連のさまざまな支援機能を複合化させた施設の整備計画策定費として39百万円を計上し、18年度以降の設計・工事に備える。世田谷区と文京区も関連経費を新規計上し、今後の設置に向けた検討作業を本格化させる。
 東京五輪の競技施設周辺では、各区とも来訪者の受け入れ環境の改善に取り組む。競技施設が多く立地する江東区は、潮見、辰巳、東雲、有明の各地区の区道を対象に無電柱化工事や遮熱性舗装を実施する。無電柱化は、両国国技館(墨田区)、東京体育館(渋谷区)、馬事公苑(世田谷区)などの周辺区道でも計画されている。
 国や都が無電柱化への財政支援を拡充する中、足立区は技術的に難しいとされている歩道が無い狭小道路への適用に本格的に取り組む。17年度以降、モデル路線を設定して検討を進める予定だ。

(日刊建設工業新聞様より引用)