東北整備局/鳴瀬川・北上川河口部の震災復旧・復興事業が完了/月浜第一水門で始動式

 宮城県の鳴瀬川河口(東松島市)と北上川(新北上川)河口(石巻市)で東北地方整備局が進めてきた震災復旧・復興事業が完了し25日、それぞれ事業完成式が行われた。鳴瀬川河口では東松島市立鳴瀬桜華小学校の児童が修復された野蒜水門で記念れんがの設置と記念植樹を行った。北上川河口では月浜第一水門の始動式が行われ、同局北上川下流河川事務所の高橋政則所長によるゲート操作や関係者による記念碑除幕が行われた。
 鳴瀬川河口部は11年3月の大津波被災直後に緊急復旧が始まり、両岸の堤防修復が段階的に進められた。高潮に対応する規格での堤防の整備総延長は約5・2キロ、背割堤は総延長約1・4キロに及ぶ。計画堤防高は海岸、河口部ともTP7・2メートルで、旧堤防より1メートルかさ上げされた。これに伴い野蒜水門は既存水門を存置して背面に新たな水門を整備。扉体(ひたい)はかさ上げして再利用し、翼壁はれんが張りを再現した。
 北上川河口部も同様に被災直後から緊急復旧を実施。総延長17・9キロにわたって両岸の堤防のかさ上げ修復を進めた。かさ上げは旧堤防のTP4・5~6メートルを大幅に強化、津波に対応したTP8・4メートルとし、現在15・9キロが完成している。
 水門施設は釜谷水門と月浜第一、第二水門が改築された。釜谷水門は津波を正面から受けないように水門位置を北上川の流れに対して直角方向に変更した。津波被害で損傷した月浜第一水門は施設設備を修復。広域地盤沈下により既設水門付近まで堆砂の影響範囲が拡大した月浜第二水門は水門位置を上流側に変更した。
 完了式典に出席し現地を視察した末松信介国土交通副大臣は「がれきの荒野と化し虚脱と悲しみの中から皆さんの苦闘が始まり、誰もが一丸となって復旧と復興に取り組まれた。その努力に敬意を表したい」と関係者や地域住民をねぎらった。
 地域を代表して石巻市長尾地区自治会の新藤喜悦会長があいさつし、「川からは上水道や農業用水としての恩恵を受けながらも、震災による地盤沈下で大雨の際は内水排除に苦慮している。安心安全確保のため、今後もいっそうの管理体制強化をお願いしたい」と述べた。

(日刊建設工業新聞様より引用)